四字熟語【文スト】【短編集】 (ページ2)

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有言実行2 ページ2

「国木田さん！なにか僕手伝える事ありますか？」

入口でそう言うと国木田さんがファイルを整えているのに目が入った。
隣に行き、ファイルを持とうとすると「ありがとう」と感謝の声が耳に入った。

「なら、これだけ俺の机の上の端に置いててくれ。
あとは自分の仕事に戻っていいぞ」

2.3冊持たせてもらって彼はそう言った。

「で、でも今日は国木田さんは大事な会食もあるし、この量は無理なんじゃ…？」

「この程度なら出来る。
後、谷崎の援助に入ってくれ。太宰もきっと役に立つだろう」

「頼んだぞ」と任されて、思わず「はい！」と答えた。
書類室に出る前に振り返ると真剣な瞳をしている彼が居て静かに外に出た。

(この量…1人で出来るのかなぁ？)

そんなことを思いつつ、谷崎さんの方へ足を向けた。
事情を話して僕も様子を見ると、何も分からなかった。

太宰さんに任せるとすぐに解決してくれた。

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日も暮れてきた夕方頃。

僕は依頼から帰ってきた。
昼に心配していた国木田さんの机の上を見ると、そこには出来上がった書類があった。
簡単に目を通させてもらうとビッシリ見落としなく記入されていた。

(あの量をキッチリやってる！)

＿＿普通に凄い。

ポカンと机の前に突っ立っていると名前を呼ぶ声が聞こえた。
振り返ると国木田さんが片手にコップを持っていた。

「敦、帰ったか」

「国木田さん！」
「今日は助かった。例として貰ってくれ」

そう言って彼から小さなお菓子セットを頂いた。
僕の好きなお菓子ばかりで思わず口元が緩むと、国木田さんは残った仕事に手をつけていた。

『ありがとうございます！』
「明日も予定通りに頼む」

僕は元気に返事をして、貰ったお菓子を同居している鏡花ちゃんと分け合った。

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【有言実行(ゆうげんじっこう)】
自分で言ったことを実行すること。