四字熟語【文スト】【短編集】 (ページ1)

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有言実行1 【国木田】ページ1

「国木田ぁー、大変だけどこれよろしくー」

江戸川はそう言って、呼んだ彼に向けてプリントを向けていた。
終わった書類を片付けたくなかったらしい。

すると国木田は席から立ち上がり紙を受け取っていた。

「はい、了解しました」

彼は自席に戻り、書類の底を整えていると近くから声がかかった。

「国木田さん！助けてくださいー」
「5分待っててくれ」

次に声を上げたのは谷崎潤一郎であった。
なにやらパソコン画面で困っているようで、彼の傍には妹のナオミも居て、困った表情をしていた。

(パソコンに異常だろうか？)

彼はそんなことを考えながら、初めに受け取った書類をファイルに入れていた。
すると彼の傍に荷物を持った宮沢賢治が来ていた。

「国木田さん！昨日の強盗退治のお礼品を受け取ってきました！」

「嗚呼、助かった賢治。机の上に置いていてくれ、今日中に返事を俺が書く」
「はい！」

「……」

そんな彼らのやり取りをじーっと中島敦は自席から見つめていた。

＿＿＿みんなに頼りにされている国木田さん。

多忙で大変そうだが、その分信頼も厚い。
僕自身もいつも頼りきっている部分も結構あるのだ。
ぼーっと見つめていると、隣で太宰さんはくすくす笑っていた。

「うふふ、今日は国木田くん、とても忙しい見たいだね」
「そうですね…あっ、太宰さん！？」

隣で太宰さんは国木田さんに話に行っていた。
またなにかを吹き込んだようで「太宰ィィ！」と叫んで怒っていた。

(これ以上は国木田さんの胃が壊れるッ)

「太宰さん！ダメですよ！帰りましょう！」
「えっー、いい所なのにぃー」

ズルズルと太宰さんを掴んで引きずった。
そして席に座らせて周りを見ると、国木田さんはもう既に書類室に歩いていた。

(な、なにか手伝えるかなぁ？？)

そう思いつつ、僕は国木田さんの後を歩いた。