【文スト】才能なしは子供に弱い (ページ23)

今日:28 hit、昨日:0 hit、合計:15,206 hit

23 ページ23

そこから謎のお菓子パーティが開いており、いつの間にかエリスは楽しげに笑っていた。
ジサツのスルーとエリスの猫かぶりに興味があった。

それから注意深く見ていると、エリスが羨ましく思った。

＿＿こんな酸化した世界を楽しんでいた。

私と同じ、扱いづらい立ち位置なはずなのに、エリスは先に楽しそうに笑った。
隣には例の彼女が居て、居なくなれば少し悲しい顔をする。

森さんの指示通り、Qの所へ行った。
Qもエリスと似たような悩みだったから。

……たった1週間で救われ、ちょこちょこついてまわる。

哀れだ。他人に依存して生きるだなんて。
だが、エリスと同様楽しんでいた。
1人で生きる私よりも、本当に幸せそうに笑っていた。

＿＿＿羨ましく思わないわけ無いだろう？

顔には出さない。
言葉も言わない。
でも、そんな様子を見ていれば腹が立つ。

(このイライラはどこへどうやって誰にぶつければいいんだ？)

人の幸せを理解できない私も私だ。
いつか、本当に救われるんじゃないか＿＿なんて夢はとうの昔、捨てたはずなのに。

嫌でも希望は持ってしまうもんだ。

＿須田A。
最近、ずっと彼女の名前と顔が頭に残る。

私を見て微笑んでいるはずなのに、視線は必ず子供に向いてる。

【太宰さん、私、あなたのことが好きで…】
【美男ですね！】
【全て器用にこなして流石ですわ！】

(私の美貌は自信があるんだけどな)

特に何もしなくても褒められることが多い。
才能なんて、指先1つちょこっとするだけで、全てが決まるのに。

だが、彼女はそんなこと目にくれなかった。

〖頑張ってる人になんてこと言うんですか！〗

彼女に怒られた。
あの時の中也の顔は驚いていたし、私も驚いた。

＿＿結局は結果が全てなのに、なぜ彼女は道中を大切にするんだろうか？？