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『きっと誰かがそばにいなきゃ動こうとしませんですから』


そう言って私が微笑むと「あ、そう」と彼は知らなかったとでも言うように呆気なくそう言った。
少し考えていたのか、私達を見つめてはクルリ、と180度回転してしまった。


「じゃぁ、私はここらで出かけるよ」
『あ、はい!夜には_「戻るよ」はい!行ってらっしゃい』


彼はなぜか足速に部屋から出て行った。

…ど、どうしたんだろうか?

首を傾げていると服の裾の部分を、ギュっ、と強く握られた。
視線がそちらに向くとQ様が構ってほしそうにしていた。


(んっ、かわいい…)


『じゃぁQ様、起きたところ悪いんですけど手伝ってくれますか?』
「何をしたらいいの?」
『一緒に洗濯物を畳んで下さい』


そう言うと彼は抱きしめるのをやめて手を繋いでくれた。
急遽落とした衣服を広い、私達は洗濯物を畳み、片付けた。

その間はずっとピタッとくっついてきてとても可愛かった。

夕飯も一緒に作ってくれた。
作ったのはオムライス。
ケチャップライスにするのは結構力が居る仕事でQと私で交代ごうたいでしっかりと混ぜた。


(昔は混ざりきってなくて怒られたなぁ)


__そういう場合は作り直し。
とてもしんどかったのをよく覚えている。


『さ、Q様、ここから大事な仕事です!』
「オムライスだから上の卵、フワフワにしたいね!」

『そうです!じゃぁ行きますよ!』


__
_


『ま、そんな上手くいくはずないもんね…』


私は上手くいかず失敗してしまった。
焼きすぎてフワフワな卵は少ししか残らないのにたいし、初めてのQ様は本で読んでいたのか完璧なものだった。
それとは別にもうひとつは小さい卵を用意して、一応太宰様の分も用意した。


「駄目だよ!Aは僕の作ったものにして!」


ふと、Q様はそう言って私の失敗作を持ち上げていた。
ビックリして変に大声が出てしまった。。


『ええ!?でもせっかく自分で成功したんですよ?』
「いいの!」

『で、でも…』

「Aのが食べたいの!それに頑張って失敗した方がきっと美味しいもん!」

『あ!?』

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年10月19日 16時

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