検索窓
今日:30 hit、昨日:0 hit、合計:15,208 hit

18 ページ18

『子供は繊細なんです。あんなことがあった後だから尚更起きた時くらいは誰かがそばに居ておかないとダメなんです』

「……」

『そう本に書いてありました!
私は愛されたことがほとんど無いため、分かんないんです。
だから、子供の接触の仕方を学んでいるんです』

__私には実らない努力が出来ることが才能ですから。


『そ、そういうことですからお願いします!』と押し付けて私は寝室から出て行った。
彼がどう受けとったのかは知らない。
でも大人が二人いるのなら片方は子供のために、居てて欲しい。


(後で怒られても、仕方ないっ!)


___


「……はぁ…実らない努力ねぇ」


部屋の中で1人、彼がそう呟いた。
先程、彼女は自信がなさそうにそう言って去って行ったのをよく見ていた。


(そんなことないのに)


目の前で眠っているQも大きく変わっている。
だから、彼女の努力は確実に実っている。


「……」


ほんの少しQが羨ましい。
自分を見てくれる人がずっとそばに居るから。

彼女の動きは高度なスキンシップがある。
なのに、子供達はなんの拒否もなく認めに行っていることが不思議で仕方ない。


(そう言うことは本には書かれない)

__そこが彼女自身の才能か、はたまた過去の影響か。


そこまでは推測出来ない。
そもそもあまり興味がなかったし、初めはジサツを止めずにスルーしたことに興味があっただけ。

それなのに、ついつい目線が彼女に向いてしまうのはどうしてだろうか?

子供ばかり目が向き、私には向かない。
なにか、なにか、不満である。


「う、ぁ…」


ふと、そんな苦しむ声が聞こえた。
そちらに目を向けるとゆっくりQが目を覚ましていた。

瞳は暗く顔は動かず視線だけ、チラリ、と私に向いた。


「やぁ、Q」
「ちっ…」

「…」

「Aが良かった」


口を尖されて、Qは顔を歪めた。
予想通りの反応で、太宰はその場でため息をついた。。

19→←17



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (70 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
257人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年10月19日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。