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『さて、首領命令で太宰様はこの部屋で寝るんですが…どこで寝ますか?』
私は思わずそう聞いてしまった。
目線を向けると彼はベット横に置いてある目覚まし時計やランプの方に顔が向いていたが、こちらに向いた。
「どこでもいいよ」
『では、Q様の隣で眠っていただけますか?』
ココに…とベットを刺した。
子供と大人1人ずつくらいなら眠れることは私とエリス様で立証済みです。
すると彼は「君は?」と声をかけた。
『床ですよ?』
「…」
『もしくはあそこのソファで眠ります。そうさせて下さい』
「あ、そう」
とりあえず寝る場所は決まった。
もう夕方。
(もう夕飯か…)
『太宰様、夕飯は?』
「嗚呼、作らなくてもいいよ。私は今日は飲みに行くから」
『…未成年なのに?』
飲みに行く_とはお酒を飲むことだろう。
あまり体に良くないと聞くけど…と忠告がてらそう言うと、彼はフッと笑った。
「マフィアに法律は通用しないからね」
_日が回る頃に帰ってくるよ
そう言ってこの部屋から出ていきそうだった。
その様子に思わず、引き止めた。
『もう行くんですか?』
「…まだ私にすることがあるのかい」
『お時間があるのなら』
そう言った瞬間、ハッ!と気がついた。
そういえば仕事があるはずだ。
目の下に隈が出来るほどのきっと大量の仕事があるならば、ソッチに戻りたいはずだ。
だが、彼は優しく微笑んで「言ってみてくれ」と言葉を告げた。
『ぁ、あの…すみません。
干した洗濯を取り込まなきゃ行けないのと夕飯があるのでこの部屋に居てて下さると嬉しかったんですが…』
_お仕事がおありでしたね。
思わず申し訳なくなると、彼は首を傾げた。
「なぜ私がこの部屋に?」
『え?』
「いや、君がこの部屋近くでウロウロするのならわざわざ私が寝室に居ておく理由もないじゃないか。」
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2023年10月19日 16時