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「どうして?」
_ワタシのこと嫌いになったの?
不安げにそう聞いてきたので、すぐに首を横に振った。
抱きしめてトントン、と落ち着かせながらリズム良く背中を優しく叩いた。
『違います。Q様の治療ですよ』
「ならワタシも居てもいいじゃない!」
『駄目です。それにQ様は男の子です。年頃の男の子は人に涙は見せたくない筈です』
__歳近くのエリス様にきっと見せたくないと思います。
素直にそう意見を呟いた。
私は慰める係、太宰さんは異能が発動したら止める係…と。
出来る限り涙を見せる人は少なくていい。
子供同士でしかできない慰め方もあるけれど、それはきっと今じゃない。
この世の理不尽さは大人の私達_18だけどよく知っている。
「……っ…」
『エリス様、お願いします』
落ち着いてそう頼み込んだ。
しっかり決断を待ってあげると彼女は「分かったわ」と苦しまみれに判断を下してくれた。
寂しいのか、悲しいのか、抱きしめた彼女は震えていた。
『ありがとうございます』
「ただ明日は私の言うことを聞くのよ!」
『はい。いくらでも聞きますよ』
そう会話してなんとか落ち着かせた。
__ちゃんと無理なことは認めてくれて、本当にいい子。
周りを見ると驚きながらも微笑ましく此方を見ていた。
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「では、2度目のお邪魔するよ」
『どうぞ』
部屋は空いていた。
きっと太宰様を急いで起こした後、閉め忘れで来たのだろう。
盗まれたら困る大切なものは…あるけどきっと大丈夫だろう。
部屋に戻り、私は寝室に彼を誘導した。
私のベット1つしかない。
だが、他に置く所も無いため、そこにQ様を置いた。
_彼の目元は腫れていた。
それは悲しくて泣いていたということの裏返し。
出られないことをもう1度理解して、辛くなって引き起こしてしまったのだろう。
『……』
私は眠っているQ様の片手を両手で握り、神に祈った。
祈ることしか出来なかった。。
(早くQ様を本当に救う人が現れますように)
「……」
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2023年10月19日 16時