【文スト】才能なしは子供に弱い (ページ15)

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2人はこの判断に驚いていたが、賛成してくれた。
ただ今日だけは外に出してあげたい。

『今日だけはQ様を引き取らせて下さい！』

彼の願いを全て曲げるのは酷だ。
ほんの少しでもいい。

＿今日だけは、1人で寝なくても…いいじゃないでしょうか？

そう言うと森様は不安げに私を見た。

「だが、君も苦しんだはずだ。Qが暴走したらいつこうなるか分からないんだよ？」

『で、ですがっ！今日はQ様が声をあげた日です。大切にしてあげませんか？』

＿私がこんなことを言うのはおこがましいと分かっています

ただ立場を無視して言いたかった。
彼が信頼してくれているのは、きっと私…な筈。

(そう信じて、彼のために動かなきゃ！)

すると森様は深く悩みこみ…横目でQ様を見つめていた。

「では、太宰君も連れて行ってくれ」
「『ん？』」

「異能が発動すると困るからね。太宰君、今日はA君の部屋で眠るんだ」

＿いい機会だろう。

そう言う森様はニコニコしていて余裕な笑みをこぼしていた。
太宰様はひどく驚いていて、私も思わず眉を寄せた。

(な、何を思ってそう言ってるんだ！？)

「ワタシも！Aの部屋で寝るわ！」

そばに居るエリスはそう言った。
お腹をぎゅーっと抱きしめて、離れたくないように見えたが、森様か首を横に振っていた。

「駄目だよ。エリスちゃん」
「リンタロウ！」

「偶には私の相手をしてくれよ。エリスちゃぁ〜ん」

「イヤよ！私はAと居たいのっ！」

そう言い、本当に嫌なのか少しも離れようとしなかった。
流石に森様も困った顔をして、私を見つめていた。

(森様はエリス様のお父様だもんね…)

世話係の私ばかり彼女の時間を取ってしまって団欒(だんらん)の時間が減るのは少し申し訳ない。

『エリス様…今日はQ様と太宰様の3人で過ごしたいのです。
駄目ですか？？』