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そう認めると、楽になった。
今までの努力を失った代わりに、いつものハードな生活が終えた。

元々、家族の皆は…私に期待などしてなかったことを知ったのはここだった。


それと同時に私はお姉様の隣で笑うことを諦めた。
叶わないと思ったから。


_____この時、私はどんな思いだっただろう?


眩しかった願いが叶わないと言う現実に当たった時、私は…



『……Q様!!』


私はすぐにエリス様の手を弾いて、彼に抱きついた。
後ろから抱きしめると、ゾクッ_と背筋が凍った。


「A君!触れたら駄目だ!今回はQの暴走___」


そんな森様の慌てた声が途切れた。
不思議に思い、私は目を向けると_そこにはお姉様が居た。


『……』
【羨ましいでしょ】


嗤ってそういうお姉様が目の前にいた。
私の抱きついている腕には、小さな頃のわたしが居た。

腕の中のわたしはポロポロ泣いていた。


(嗚呼、これが本当の…Q様の異能力…)


そう理解したと共に、幻覚のお姉様は話し出した。
私は静かに見つめた。


【Aが頑張ってたのは知ってるよ。だってお姉様だから。
沢山居残って、お父様やお母様に怒られてたのも知ってる。
__頑張っても、報われない自分が嫌になってたのも】


『…』


【頑張って、頑張って…あ、叶わないことが分かった。
だから、Aはあの日、私を殺しに来たね】

__余っ程、憎んでたんでしょ?


そう言われて、ドキッ、と心臓の鼓動が早まった。


(嗚呼、そうだよ)


私は1度、お姉様を本気で殺そうと憎んだ。
お姉様の才能が羨ましくて、こんなヒドい私の状況が嫌で、絶望したから。


〖どうして、私だけ?そんなに才能がないことが悪いの?
普通に生きてみたい。
…負けた私に…こんな場所に、生まれたくなかった〗


『……』


わたしは悲しくそう呟いた。
瞳は、本当にあの時のわたしを見ているようで気持ち悪い。

_これがQ様の異能と知らなければ私は過去のわたしに、つい手を差し伸べてしまっていただろう。


するとわたしの背中にお姉様が近づいてきた。
ベッタリくっついてきて、私に問いかけるように口を開けた。


【過去のことが嫌いなAに過去を殺すチャンスが来たの。やりなさい!
ほら、お姉様の言うことを聞きなさい】


お姉様がそう言うと、自然と私はナイフを持っていた。
そして、目を向けると腕の中にはわたしが泣いていた。


〖A、わたしを、殺して、ください……〗

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年10月19日 16時

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