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彼はじーっと私を見つめた。
心を探られているような気がした。

_ここはマフィアだ。
だから、人を気軽に信用できないのだろう。

その空気が子供たちをくるしめていたんだ。


彼の様子を見てすぐに分かった。
だから、私は覗かれてもいいように微笑んだ。


『私は特に何もしていません。
それぞれが頑張って私を信頼をしてくれたんです。ね』

「ワタシのメイドだもの。信頼しなきゃ成り立たないわ」
「僕は朝食を毎日作ってくれたからね!」

『本当に貰った仕事をした。ただそれだけですよ』


優しく頭を撫でると2人はキャキャッと笑ってくれた。
そして、改めて太宰様を見た。

_彼はよく分からない瞳をしていた。
どこか泣き出しそうな寂しそうな目をしているのにも限らず、顔を歪めていた。


「……そうかい」


(何を思ってるんだろうな)


初めて会った時、彼は死のうとしていた。
首を吊ろうとしていて、たまたまその場に私が発見できただけで、見つけなかったら……彼はどうなってたんだろう?


(死んでしまうほど辛いことがあったのかな…?)


『太宰様、今、お時間はありますか?』


私はそう聞いた。
すると、彼は不思議そうに首をかしげた。


「ん? まぁあるが…」
『ではお手伝いしてほしいんですが、いいでしょうか?』


『入って下さい』と彼を中に入れた。
子供達2人は文句を言っていたが、撫でてその場を収め奥へと向かった。


「……」


彼は部屋の中にあがった。


「どうして中に入れるの?」
『お手伝いしてもらうんだよ』

「ワタシ達がお手伝いしてもダメなの??」

『ダメです。それにこの部屋を紹介してくれましたのは太宰様ですから』


「「…」」
「そんなに睨まないでおくれよ」

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年10月19日 16時

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