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エレベーターのボタンを押し、私の部屋に向かった。
カードを通し、ドアを開けた。
『ただいまー』
私はそう呟いた。
そして電気をつけ、身支度を始めた。
(また明日もあるんだ)
ぐっすり眠ってちゃんと起きなきゃいけない。
そう思うと、すぐにベッドに入って眠に落ちた。
____
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『……』
目が覚めると次の日になっていた。
太陽の日差しが差込み、体を起こして時計を探すと、短い針は朝の7時の方向へ向いていた。
体を動かそうとするとゴソッ_と何かが先に動き出した。
(ん?)
視線を落とすと、なにやら私の布団の中の1部が不自然に盛り上がっていた。
小さく盛りあがっており、直ぐに布団をめくった。
『!?!?』
(な、なんでこんなところに…)
__エリス様がっ!?
私の隣でエリス様が眠りに落ちていた。
綺麗な寝顔で、いつの間にかそばにある手は繋いでいた。
(いつの間に部屋の中に?)
ポカン_と私は呆気にとられた。
すると布団をめくったままが気に入らなかったのか、彼女はズルズルと体を引きづり、下へと潜ってしまった。
横目で表情を見ると気分が良さそうで、起こすのは可哀想だ。
(…寂しくなったのかな?)
それなら一言くらい声掛けてくれて良かったのに。
子供は気分屋だから仕方ないか。
そう結論付けて、私はそっと布団から出た。
__
_
「A?」
ふと、そんな私を呼ぶ声が聞こえた。
振り返るとエリス様が目覚めたようで、火を消して彼女の傍に寄った。
『おはようございます、エリス様』
「何していたの?」
『朝食を作っていました』
『見ますか?』と言って手を差し出すと、エリス様は手を取った。
そして立ち上がらせて抱っこをしてまずは、洗面所まで連れて行った。
「洗顔はこれかしら?」
ふと、エリス様はそう言った。
目を向けるとそこには"普通の"洗顔を指さしていた。
『はい。そうですよ。
ただエリス様の部屋に設置していた洗顔より性能はよくありません』
「…Aは使ったの?」
『はい、使いました』
「なら問題ないわ」
そう言ってエリス様は普通に使い始めた。
絶対、昨日の部屋にあった洗顔のほうが高級なのに…。
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2023年10月2日 7時