検索窓
今日:16 hit、昨日:57 hit、合計:37,217 hit

9 ページ9

これにて、食事会は終えた。
朝食を終えてから始まり、夕飯後に私の仕事は終わる。

だから、この後はもうフリーなのだ。


「A、今日はありがとう」


ふと、エリス様はそう言ってきた。
目を向けると「また明日ね」と可愛らしく言って、隣の部屋に行ってしまった。


(可愛いなぁ)


綺麗な走り方に、美しい金色の髪。
誰がなんと言おうとも将来は絶対に美女確定!
と言いたくなる美しさだった。


「A君」


ふと、振り返るとそこには優しい笑みを浮かべている森様が居た。
すぐに頭を下げると「話したいことがあるんだ」と口が空いた。


『私にですか?』
「嗚呼」


とりあえず、食べ終わった食器を片付けに入った。
私が手伝おうとすると黒服達は"そんなことさせられません"と言って手伝わせてくれなかった。


(なんでだろう?)


仕事時間が終わったからかな?
まぁ、いいや。


_____
___
_


部屋が片付け終わると、森様は横浜の夜景を眺めた。
私も側まで行き、外を見た。


「今日は本当にお疲れ様だね」


ふと、森様はそう言った。
チラッと彼を見ると、視線は外に向いたままで、私も夜景を見つめた。


『はい。森様もお疲れ様です』

「エリスちゃんがすまないね。
覚えたばかりの言葉を使いたくなってしまう年頃なのだよ」

『分かりますよ。
私も昔、本で得た知識を直ぐに使いたくなりましたから』


私は思わず共感した。
昔はお姉様とたくさん知識を言い合った。
_幸せなことに幼少期は才能は現れなかったから。

すると彼は「優しいね」と声をかけてくださった。


『ありがとうございます』
「本当にマフィアには似合わない優しさだ」

『!』


ふと、そう言われた途端私の手首を握られた。
目線を向けると、彼はなにか言いたそうに私を見つめていた。


『どうしましたか?』
「……エリスちゃんが、羨ましいよ」

『えっ…』


(それってどういう…)


すると握られた手は離れ「また明日も頼むよ」と言いつつ椅子に座った。
そして書類に触れ、パソコンを見始めた。


(なんだったんだろう?)


よく分からない。
でも、なんだか悲しそうな瞳をしていた。


『…失礼します』


今日はとりあえずそう言って立ち去った。
これから仕事をするっぽかったし、私が出る幕では無さそうだ。。

10→←8



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (77 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
155人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年10月2日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。