【文スト】才能なしの救い (ページ7)

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「君たちは同じ同性で、子供が作る確率も同等だ。
A君が子供を作ればいいが、エリスちゃんが子供を作ってしまったら……さぁどうしようか？」

＿子供の大きさに耐えきれないエリスちゃんは死んでしまうよ。

森様は私の作った結婚に乗っ取り、そう言った。
するとエリス様は悔しそうに顔を歪めては、言い返す言葉が見当たらないようだ。

(私、あと1歩だったのかな？)

惜しいなぁ。
もう少しで私、1人でエリス様を抑えれたのに。

「子供が出来ないかもしれないわ。結婚したら100%出来るのかしら？
確実と言える世の中は無いわ」

エリス様はそう口を開けた。
口元は笑っており、勝てると思っているのだろう。

＿そんなの言い出したら何言っても逃げられてしまう

(この世に確実なんて無いんだから！)

自然と顔を歪めると、森様は私の方を見ていた。

「…そうだね。確実とは言えないだろう」
『森様！』

(そんな…)

森様も言い返せないなんて…。
かと言って、私は何も思いつかなかった。

するとエリス様の表情は笑顔になり、私に向いた。

「なら、別にケッコンしてもいいじゃない！」

「エリスちゃん。1つ、抜けていることがあるよ」

ふと、森様はそう言った。
森様の視線は私に向いていて、首を傾げると彼は笑ってくれた。

「エリスちゃんの結婚相手はA君だろう？」
「そうよ！」

元気にそういうと、愛おしそうに私を見てきた。
思わず苦笑いすると、森様は余裕そうに微笑んだ。

「では、A君に聞こう」
『は、はい』

「君はエリスちゃんが命を落とすリスクのあることに、賛成するかい？
勿論、A君自身はリスク無しだ」

「『！』」

森様の言葉に、思わず目を見開けた。
私では思いつかなかった第三者の目線から見たものだ。

＿確かに結婚は2人でするもの。

私だけノーリスクで、エリス様が命を落とすかもしれない。
そんなことをしてまで、結婚をしたいか？

『したく、ないです…』

私はそう口を開けた。
エリス様の瞳が私に向き、それは複雑な感情だった。

「……」
『死ぬかもしれないのなら、リスクがあるのなら、このままで良いです』

「A…」

『ごめんね。エリス様…私はその覚悟は背負えない、』