【文スト】才能なしの救い (ページ6)

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「体が小さい…」

私の発言が効いたのか、エリス様は落ち込んだ。
結婚できないことを悟ったのか、疑問が生まれず、なんとかなりそうだった。

「本当？リンタロウ」

不意にエリス様は視線を逸らした。
彼の方を見ると口元を抑えて笑っていた。

(あああっ、まずい…森様は……)

全て理解している。
だから、私のギリギリの言葉も分かっている。

結婚してすぐに子供が出来るわけない。
それが出来たらこの世の子供ができない悩みが失われる！

「あ、あっ、そうだ。
Aくんのっ、言う通りだっ！うふふ…」

彼は笑いながらそう言ってくれた。
あの、そこまで笑います？？

(と言うか、笑ったらバレるでしょう！？)

それでもエリス様は悔しそうに私をじーっと見た。
顔に"結婚したい"と書かれているのは無視した。

＿最近初めて"結婚"と言う言葉を知ったんだろうか？

知った言葉は直ぐに使いたくなるのは凄くわかる。
使い方も間違ってない。

(…タイミングだけが、おかしいっ)

「そうだわ！子供はAが持てばいいのよ！」
『』

「うふふっ…ふふっ…」

「Aは18歳。もう大人じゃない！
そうしたら遠慮なく、ケッコン、出来るわね？」

そう言うエリス様は小悪魔的で悪戯が成功した顔をしていた。
それと共に楽しそうに口を開けて、輝いた瞳で私を見つめた。

『う、ぁ…うっ…』

(…子供の発想力にはまいりましたぁっ…)

思わず白旗をあげたくなる。
頭のキレる子供は本当に恐ろしく、私では考えもしないことばかり思いつく。

心が折れかけると、森様はずっと笑っていた。
思わず目線を向けると彼の笑いが止まり、目に浮かんだ涙を振り払っていた。

「エリスちゃん。
結婚は"お互い"大きくないと出来ないんだ」

『！』

森様は机に肘を置き、余裕そうな笑みを浮かべていた。
目が合うとウィンクをしてくれて、選手交代になったという事だろう。

(心強い！！)

すると、自然とエリス様は森様に視線を向けた。

「…子供ができるのは片方でしょう？
大きい体と小さな体、出来るのは自然と大きい方だわ」

「さて、それはどうだろうか？」

「くっ……」