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『エリス様、Q様』


私がそう声をかけると2人は同時にこちらを見てくれた。
そしてニコニコいつもの笑みを浮かべて「はーい」と手を差し出してくれた。

それを受け取り、何事もなく私達はその場を去った。


(2人が居たら便利だなぁ)


____
__


「此処がAの部屋?」
『そうだよ。はい、どうぞ』


私はそう言って鍵を開けて、2人を中に入れた。
エリス様は慣れた足取りで中に入り、Q様はキョロキョロ全てに興味ありげに見つめていた。


(かわいいなぁ)


子供が目を輝かせてる所はとってもかわいい。
思わず頬が緩み、扉を閉めて中に入った。


「A、ここに来なさい」
『?』


ふとそんなエリス様の声が響き、目を向けるとソファを独占していた。

_場所を先に取っててくれたんだ。
そう思うと、私の足取りはすぐにそちらに向かった。

言われた通りに座ると彼女は嬉しそうに近寄ってきた。
そして私の手の平を取っては頭に置いてくれた。


「な、撫でてくれるかしら?」


どこか恥ずかしそうに彼女はそう言った。


(へ?)


その瞬間、きゅん♡と私の心が撃ち抜かれた。


『エリス様、かわいい〜!』


私は自然とそう言葉が出た。
突然の大声に彼女はビックリしていた。
そして、ソファに倒れるようにギュッと抱きしめ頭を撫でた。


(急にデレるのは反則だよっ)


「…カワイイのはAなのに…」


エリスはボソッと声を漏らした。
そのまま強く抱きしめれると、幸せそうに微笑んでいた。


そんな2人の様子をQは遠くから見ていた。


__いつもあんな距離なのかな?

あんなにくっ付いてエリスはあんなに幸せそうに笑ってるのかな?


ソコとココはなんだかとても遠くに感じられた。
まるで別世界のような感覚。
…僕には分からない暖かい家族の絆のように見えた。


(僕もそこに行けるかな?)


『…!』


ふと、Aと目があった。
彼女は僕を見つめては、微笑んでくれた。


『おいて、Q様』
「っ…うん!」


__嗚呼、僕もソコに行けるんだ!!

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年10月2日 7時

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