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(あ、まだ教えれてないんだ…)
すぐにそう理解した。
まだ親の森様は教えられてないから、困っていたんだ。
そう思うと動揺してしまった私が恥ずかしく感じた。
『エリス様、結婚と言う言葉はそう簡単に口に出してはダメですよ』
「どうして?」
『男の人が勘違いしてしまうからです!』
私がそう口に出すと「男の人…ね」と彼女は口を開けていた。
「でも、両思いの人がケッコンするんじゃないのかしら?
ワタシ達、両思いでしょ?
それならケッコン出来るわ!」
エリス様は嬉しそうに口を開けた。
思わず言葉がつまり…どう伝えればいいか分からない。
ふと、大一撃の言葉を思いついた。
__私達は一応(ここは通じないけど)法律上では子供なんだ。
子供は時が解決してくれる。
大人になれば自ずと答えが知れるから、逃げ切るのならこれでいい。
『結婚は大人の人しか出来ないんですよ!』
「……どうして?」
(どうして!?)
『そりゃ子供だから…』
そう答えても「どうして大人しか出来ないの?」と突っ込まれてしまった。
ケッコンの流れは知っているらしい。
花束や口付けや誓いの言葉など、なぜかエリス様は知っているのに、なぜ分からないっ。
『大人しか出来ない理由は………』
(あんなことこんなことをするからじゃんっ)
でも、そんなこと食事中に言えるはずがない!!
森様はなんだか答えが聞きたそうに耳を傾けているし、どうしよう!!
結婚が大人である理由。
_そういえばどうして大人しかダメなんだろうか?
そんなこと疑ったことがない。
"結婚はそういうものだ"といつの間にか思っていた。
__金銭面も経済力も勇気もあるエリス様はほとんど大人と同じようなもの。
そんなエリスをねじ曲げる一言が必要。
立派な小さな大人。
それがエリス様だ。
(体が大きくないと、出来ないこと…)
『結婚すると"すぐに"子供ができるから!』
「ふふっ」
ふと、遠くから笑い声が聞こえた。
そんなこと無視して『すぐにです!』と念入りに言葉を押した。
「…すぐに出来ちゃうの?」
『はい。
エリス様のような小さな体に子供は入りません。
だってエリス様が子供なんですから。』
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2023年10月2日 7時