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首領室の部屋を開け、私は姿を見せた。
「取り戻してきたよ」
「A!」
すぐにエリスがそばに寄ってきた。
私はしゃがみ込み、彼女の寝顔を見せるとエリスは胸を撫で下ろしていた。
しかし、彼女の首元に触れては顔を歪めていた。
「Qッ」
悔しそうにそう言う声は、初めて聞くほど怒っていた。
(えっ…)
自然とエリスに目が向くと、彼女はおでこを合わせて少しだけ甘えていた。
そして彼女の手をとっては己の頭に置いた。
_撫でて欲しいのに、動かない手の平。
「ホントのホントに死んでないのよね?」
不安になったエリスは私を見てそう言ってきた。
ソワソワと彼女を、不安げに見つめて、何度も「死んでないよね」と確認してきた。
「だから、死んでないよ」
「うっ…A…」
「助かったよ、太宰君」
ふと、森さんが立ち上がり、エリスの傍まで来た。
そして優しく頭を撫で眠った彼女を横目で見ては「隣の部屋に置こうか」と口を開けた。
「エリスちゃんの部屋に置こう。いいかい?」
「ええ!」
「…はーい」
私達は移動して、彼女を隣の部屋に置いた。
ふわふわのエリス専用のベットに眠る人を見るのは初めてだ。
そのくらい、特別な人物と言うこと。
布団をかけると、エリスも隣で眠るつもりなのか、ゴソゴソと無抵抗の彼女を動かしていた。
片手は手を繋ぎ、逆の手は頭に設置していた。
(撫でて欲しいのか)
エリスのして欲しいことはすぐに分かった。
_そんな様子をじっと見つめていると「太宰君」と私を呼ぶ声がした。
「そっとしておこう」
「……」
「それに太宰君は何があったか報告してもらうよ」
森さんがそういう為、私はその部屋から立ち去った。
最後、扉を閉めようとした時。
2人が居るベットの様子が少し見えた。
(うーん)
エリスの瞳は黒く濁った瞳をしていた。
しかし口元だけは、笑っていて…狂ったように彼女だけを見つめていた。。
(異常だ)
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2023年10月2日 7時