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順調に食事会は進み、後半になった。
ここから森様のターンが始まった。


「それで、今日は一体何をしたんだい?」


森様は興味あるとでも言う瞳で私達を見つめた。
私が口を開けようとすると、エリス様は「お揃いコーデで絵を描いたのよ」と自慢げに口を開けた。


(その通りだけど…)


私の絵が下手すぎて捨てたんだよな。
エリス様は大事そうに持っていたが、あんな呪われそうな絵を大切にするかんて変だ。

すると森様の視線はエリス様に向いた。


「なら、どうしてお揃いコーデにしたんだい?」
「理由なんて要るかしら?」

「今まで他の付き人にはいっさいしなかったじゃないか」


(前のメイドはしなかったんだ…)


森様はメイドを故意に付けたのだろうが、続かなかったんだろう。
するとエリス様は何かを思い出したのか顔を歪めた。


「気に入らなかったのよ。どうせ狙いはダザイやチュウヤ…。
でもAは気に入ってるの」


エリス様はそう言って私をじーっと見てきた。
目が合うと、優しく微笑んだ。


「……何故気に入ってるんだい?」
「大好きだから」


「大好きに理由は要らわないわ」とエリス様は言葉を使った。
上手な言葉の逃げに、思わず感心した。
実際、その言葉に森様は目を丸くして、不思議そうに私を見た。


『私もエリス様が大好きですよ』
「ワタシ達、両思いね!」

『そうですね』


エリス様は今にでも飛び跳ねそうに喜んでいた。
子犬のような可愛さに、思わず頬が緩んだ。
……するとエリス様は幸せそうに語った。


「ケッコンはいつしようかしら?」
『ん?』


(なんて?)


思わず顔が険しくなると、エリス様は私を見た。
彼女は相変わらず楽しそうに笑っているが、私から笑みは消えた。


『い、今なんて…?』
「ケッコンよ」

『結婚?』


(何言ってるんだ?)


チラリ_と森様の方を見ると、驚いてばかりで困っていた。
私も激しく動揺して、視線がウロウロすると、ぴくっ、と裾を掴まれた。
そちらを見ると不安そうにしているエリスが居た。。


「両思いなら、ケッコン出来るんじゃないの?」

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年10月2日 7時

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