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『おはようございます、森様。エリス様』

「おはようA!」
「嗚呼、おはよう」


部屋に入って私の仕事が今日も始まった。
エリス様はもう元気になったようで、いつも通り手をとっては引っ張ってくれた。


(可愛いなぁ)


_____
___
_


次の日。

私は同じ時間にまたやってきた。
また「お姉さん」と1言初めは呟いてくれた。


『おはようございます、Q様』
「……」


牢に近づき、また今日も持ってきた。
今日の朝食はパンだ。
私はパンとご飯を毎日交代ごうたいで食べる。


『今日はピザパンです。昨日は食べてくれましたか?』
「……」

『…まぁ、答えたくなければ大丈夫ですよ』


今日もまたじーっと見つめられた。
昨日の夜ご飯を見ると、また親子丼でミカンだった。


(……また同じ?)


同じくミカンは食べられていた。
少し、昨日の夜ご飯を見つめた。
好きな物なら食べてくれるはずだし、やっぱりミカンが好みとか?

色んなことを思いながら、退けてはパンとスープと飲み物を付けて渡した。


『いただきます』
「…」


私は隣で食パンを口に入れた。
ちなみに、そこに置いている物と全く同じものを食べている。
そのためQの目線はまだ食材に少し逸れてから、私に向いていた。


『やっぱりQ様はミカンが好きなのですか?
昨日も食べていたし、私も持ってきましょうか?』

「……」

『あっ、明日は無理だ。買い物は3日に1回なんです。
なのでまた明後日持ってきますね』


私はそう短く呟いた。
返事が返ってこない話を、呟きというから仕方ない。

30分程度、しばらく居て、立ち去った。


(まだ2日目かぁ…1ミリも反応がないなぁ…)


『…』


そして、また親子丼を持って現れると、視線が私に向いた。
でも話してくる人は居らず、昨日教えてもらったゴミ箱に同じように捨てた。

すると奥からゲラゲラ笑った話し声が聞こえた。


「あれれ、Qの朝食係じゃないか」
『昨日の方ですね』


目の前には昨日の男性がやってきた。
昨日よりも確実に私を見下し、鼻で笑ってきた。


『聞きたいんですけど、どうして昨日も親子丼なのでしょうか?』

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年10月2日 7時

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