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自分で作ったおにぎりを3つ食べる間も、ただ私を見ていた。
目が合っても逸らすことはしなかった。
(うーん、ダメか)
隣で食べたら食べてくれると思ったけれど、効果なし。
とりあえず時間が来てしまった。
だから、そろそろ戻らなきゃ行けない。
『ネットを被せておくね』
私はそう伝えてネットを被せて、昨日の夜ご飯を回収した。
それを両手で持ち『また明日』と声をかけては立ち去った。
そして1階につき、私は食堂に向かった。
食堂は準備が始まった時で、バタバタとしていた。
そんな中1人、人を停めた。
『あの、これ、どうしたらいいんでしょうか?』
「え…」
「まさかQの?」とその人は言った。
不思議に思いながら『はい』と答えると、彼は気持ち悪がるように私を見つめた。
「もしかしてお前か?自分から立候補したやつ」
彼は「朝食の」と口を開けていた。
_森様が言葉を回してくれたんだろう。
すると、この会話が聞こえていたのか、周りの人達も不思議そうに私達の方を見つつ、作業をしていた。
『はい。私ですよ』
「うわー…まじか。お前呪われるぞ?」
「俺に移るのは勘弁な」と恐れ半分、好奇心半分、蔑み半分の視線で笑われた。
すると周りの人達も不気味そうに私を見つめてきた。
_どうやら、皆はQ様のことを気に入らないみたい。
ただキチンと仕事をするあたりは悪くない人達だ。
私は彼が指定した所のゴミ箱に食材を捨てた。
流石に一晩、常温で置いたもの食べる必要はない。
それでお腹を壊したら元の子も無い。
…私は捨てながら、口を開けた。
『Q様は何が好きなんですか?』
「様!? お前、あんな年下を様付けって、ふん。知らねぇよ」
『誰も知らないんですか?』
「知 ら な い。それに朝は忙しいんだ。
早くどっか行ってくれ!」
(それなら仕方ないか)
向こうも仕事だ。
Q様に当てる時間が無いのだろう。
私は足早にその場を立ち去った。
(自分でみつけよう、)
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2023年10月2日 7時