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部屋には経った3人だけ。
見張りの黒服は誰も入らないように見張らせており、カチャカチャと金属音だけが部屋に響き渡った。
(う、上手く食べれないっ…)
と言うか先程から私ばっかり、ガチャンガチャン音を鳴らせてしまっている。
__ここは工事現場ですか??
そのようなくらい音がなり、2人が心配そうにコチラを見る目が私の心をエグった。
ナイフやフォークなんて普段使わない。
木のお箸しか普段使わないのに、こんな豪華になったら食べれるはずがない!
(た、助けて…)
『…帰りたいです…』
思わず涙目になってそう言うと、エリス様がすぐに私と同じように持ってくれた。
そして優しい笑顔を見せてくれた。
「大丈夫よ!A!こうするの」
1度お手本を見せてくれたが、そんな綺麗に行かない。
私が苦しんでる中、森様もエリス様と同じようにやり方を教えてくれた。
少しして、かちゃん、と綺麗な音が鳴った時は涙が出そうだった。
(2人の教え方が上手いっ…)
平凡な私でも、説明が上手な人に教えてもらえればマシになった。
それが嬉しくて、ぱっと私の表情は明るくなった。
『ありがとうございます!』
「どういたしまして」
「感謝しなくていいわ。当たり前だもの」
2人はそれぞれ同じように反応してくれた。
そして改めて食事会が始まると、主にエリス様と森様の会話ばかりだった。
森様はエリス様のことをずっと溺愛しており、〇〇のドレス・△△のドレス…など聞いたこともない様な所のドレスを片っ端から言いまくり、彼女はそれに正確に答えていた。
(すごいなぁ)
私が聞いても何も分からずサッパリだ。。
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2023年10月2日 7時