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「チュウヤのこと好きなの?」
『はい〜!?なんでそうなったんですか?』
「だって、ワタシ以外に触れるからよ!」
エリス様は頬を膨らませ、むっと怒っていた。
もしかして、私が中原様に対して好意的だと思ったのだろうか。
『応援したくなっただけですよ。
だって体を鍛えるなんてしんどいじゃないですか』
「で、でも…」
するとエリス様は複雑な気持ちなのか、困った顔をしていた。
言葉も見当たらないのか黙り込んでしまった。
(うーん、努力することって本当にすごいのに…)
天才はサッとなぜか出来てしまう。
私のお姉様がそうだからだ。
努力しなくても、平均以上は取れてしまう。
私は努力したけど実らなかった。
頑張って握ったのに、平均にも届かなかった。
(中原様のは実りますように)
なんてことを思いつつ、私はエリス様を持ち上げた。
彼女は目を丸くしたがギュッとそのまま抱きしめてきた。
『さて、続行しましょうか。太宰様』
「…嗚呼そうだね」
一呼吸置いて彼は奥へと動いた。
私もあとについて行き、この場所について聞いた。
(またここに来たら、中原様の補助ができるかな)
そんなことを思った。
__
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地下二階は拷問部屋。
流石にそんな部屋見せれない_と言うことになり地下三階へ行くことになった。
『牢屋?』
地下三階は牢屋があった。
扉は開いていて、足を中に入れると「だぁれ?」と幼い声が聞こえた。
『!?』
そこには牢屋に入っている小さな子が居た。
白と黒の髪を持ち、ちょっと怖い人形を手にしていた。
(なんでこんな小さな子が…)
するとエリス様は「おはようQ」と声をかけていた。
降りたいらしく、降ろすと彼女は少年の側まで歩いて話していた。
「名は夢野久作。皆からはQと呼ばれてるよ。
事情があってここに置いてるんだ」
『まさか森様が?』
「嗚呼。Qはとても危険な異能力の持ち主だからね。」
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2023年10月2日 7時