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「チュウヤ、トレーニング後?」
「はい」


やってきたのは中原中也様だった。
彼の視線は私と太宰様に向き、中々見ないメンツにまたビックリしていた。


「なんでここに居るんだ?」
「彼女にポートマフィアを教えていたんだよ」


太宰様は顔を背けて虚空に向けて話していた。
その様子に中原様は怒り、ギャンギャン怒鳴っていた。


(…結構激しい運動したのかな?)


中原様の額にはじんわり汗をかいており、輪郭をつれて汗が少しだけ流れていた。
そんな彼の首元にはタオルがかかっていた。


『中原様』
「ん?」


私が声をかけると、目線はこちらに向いた。
綺麗な青い瞳が向くと共に、私は1歩近づいてハンカチを彼の汗に軽く当てた。


「!」
『すみません、目にかかっていたので』


汗を拭いつつ、髪を耳にかけた。
彼は「汚ェ汗だぞ」と口を開けたが、すぐに感謝の言葉を掛けてくれた。


『どういたしまして』


そう言って1歩下がると、彼は嬉しそうに笑顔を見せてくれた。
そんな中、隣にいた太宰は信じられないとでも言うような顔を歪めていた。


「うわぁ、中也なんかにそんなことしなくていいのに…」
『が、頑張ってる人になんてこと言うんですか!』

「中也は肉体派だ。努力するなんて当たり前だろう?」

『当たり前じゃないです!
努力できる人はなかなか居ませんよ』

「えー…」


彼は言葉を失った。
それを見ては中原様に視線を戻し『頑張って下さいね』と言葉をかけた。


「おう、ありがとな」


なんだか照れくさそうにそう言って、彼は去って行った。

_1つの事に頑張っている人の姿を見るのは好きだ。

ついつい何か協力してあげたくなるから。
上手くいって欲しいとばかり、毎日願うから。


「Aはチュウヤがタイプなの?」
『はい?』


そんな声が聞こえて、エリス様の方を見ると顔を悔しそうに歪めていた。
瞳はなんだか少し濁っているように見えた。


『タイプって??』

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年10月2日 7時

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