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パン!と両手が叩く音がして、我に返るとそこにはエリス様が私を見ていた。
「ダザイの仕事場はもういいでしょ!」
_次よ!!
エリス様は飽きてしまった様でそう言った。
その様子に微笑みながら『そうしましょうか』と口を開けた。
(仕事部屋だし、テレビが無いのも仕方ないから)
手を繋ぎ直して部屋から出た。
ふいに、エリスは太宰を睨んだ。
その視線は威圧感があり、売られた喧嘩に彼の眉はぴくっと動いた。
「……」
「さて、次は図書室にしましょ!」
『そんな部屋あるんですか?』
「ええ!2つあるの。近い方にしましょうダザイ」
「嗚呼、そうだね。」
そう言った太宰は笑っていた。
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順調に周り、いつの間にかもう地下1階まできていた
黒服さんがところどころ見え、私達に向けてみんな頭を下げていた。
(なんだか、歩きにくいな)
目を合わせようとしても逸らされ、孤立している見たい。
エリス様が手を繋いでくれているから、寂しくは無いが彼らとは大きな壁を感じた。
でも、エリス様と太宰様は普通に歩いている。
__この空気が普通だと言うことだ。
「地下一階は鍛錬所だ」
『鍛錬…』
彼はそう言った。
少し部屋の中を覗くと、なにやら体を鍛える装置があったりしていた。
綺麗に使用されているようで、ずっとエアコンが掛かっていた。
「Aには無関係な場所ね」
「一応、こんな場所もあると知るといいよ」
『はい…』
私がそう声にした時、奥から見慣れた人が歩いてきた。
私たちが彼に気づくと、向こうもまた気づき「なっ!?」と声を上げて驚いていた。
「エリス嬢、なんでこんなところに…??」
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2023年10月2日 7時