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「ワ、ワタシも行くわ!」


エリス様はすぐに立ち上がりそう言った。
そして直ぐに私に手を差し出してくれた。

バッ!と小さな手が私の前に出て、微笑みながら手を取った。


(ポートマフィアか)


ヨコハマを総支配していて、強い異能力者がたくさんいる_と耳にした。
指揮官も取れているし、そんなところを見れるなんてなんだか、特別なことをしてるようだ。


『今日はポートマフィア内探索ですね!
とっても楽しみです』


思わずそう言った。
自分の部屋の階がある35階と此処の階しか行き来しないから、ワクワク感が止まらなかった。


「ワタシとだけ遊ぶのはイヤだったの?」
「……」


ふと、エリス様は不安そうにそう聞いてきた。
悲しそうな目をしてきたから、すぐに頭を撫でて否定した。


『そんなことありません。
エリス様と出られることが嬉しいんですよ』

「…」

「ふふん、そうよね!
さ、行くわよ」


ぎゅっ_と手を繋いで、太宰様の側まで歩いた。
傍に着くと彼は視線を落としていて、繋いでいる手を見て笑っていた。


「ふぅん、上手くしてるね」

『?』
「…文句を言うならワタシ達だけで回るわ」
「別に文句は言ってないよ」


2人は仲がいいのか悪いのか。
ずっと、言葉を交わしながら首領室から出た。
…私が言葉を挟む隙は無いまま、長い廊下を歩き、エレベーターに乗り込んだ。

このビルは丁度70階まであり、行こうとしているのは50階だった。


「次に行く場所は幹部室だ」


(幹部室)


ということは、ポートマフィアの幹部様部屋があるんだろう。
_そういえば太宰様も幹部だ。


(この階に来ること多いのかな?)


すると、エリス様はつまらなそうに口を開けた。


「どうせ誰もいないわ」
『そうなんですか?』

「…嗚呼、今の時間帯はほとんど居ないよ」


__ポートマフィアは夜が本業だからね。


こんな朝っぱらは基本的に自室で寝てるか、帰宅しているらしい。
それでも太宰様は幹部なのに起きてる。

よく見ると彼の瞳には隈があった。
薄い隈で、メイクで軽く消されている跡が見えた。


(眠ってないのかな?)


そんなことを考えていると、50階に着き足を進めた。。

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年10月2日 7時

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