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時は夜。
私にとって生死をかける時間がやってきた。

鏡の前で前髪を整え、傷んでいる髪を櫛でなんとか綺麗に見せた。
そして朝から着ているドレスに傷が入っていないか確認した。


(よし、完璧だ!)


この後すぐにポートマフィアの首領_森鴎外様と共に夕食を食べる。
_その時にきっと聞かれるだろう。


エリス様がどうしてこんなに私にベタベタなのかを!


「A、まだなの?開けていい?」
『ダメです』


現在もカーテンを挟んでエリス様はそばに居てくれている。
食べるのは首領室で食べるため、すぐ隣の部屋なのだが彼女は私のことを待ってくれている。


(よし、本当に…大丈夫だよね?)


ニコニコずっと笑うための口角を上げた。
…別に変じゃない。
私は一呼吸ついてから、カーテンを開けた。


『お待たせしました。エリス様』
「待ちくたびれたわ」


そう言う彼女は頬をふくらませていて怒っていた。
でも、すぐに許してくれて手を繋いだ。


「いい?絶対にリンタロウに惚れないでね?」


先程からエリス様はそう言っていた。
つい1時間前からそんな小言を漏らし、不安がっていた。


(理解に苦しむ…)


エリス様の頭の中は一体どういう思考回路をしてるんだろうか。
覗いてみたい。


『惚れませんよ。
そんな恐れ多いこと絶対にしません!』

「そ、そうよね…でも絶対の絶対よ!」
『はい、絶対の絶対!』


私達はそう言い合い、扉の前まで着いた。
扉はいつもより大きく感じ、重く感じた。

震える手で3回ノックをし、返事が返って来る前に開けた。


「時間ピッタリだね」


部屋の中を見ると豪華な料理が用意されていた。
見たこともない豪華な料理に言葉を失う中、エリスは文句を言いながら私の手を引っ張った。


「ワタシ、Aと食べたかったのに…」
「いいじゃないか、エリスちゃぁ〜ん」

「キモイわっ!」


2人はそう会話して席に座った。
対面ではなく、森様から見てすぐ右側の席に2人で座った。

どこに座れば正しいか、私は全く知らない。
それに椅子に座って食べることも、今朝以外なかなかしない行動だ。
だかは、上手く食べられるか不安だ。


「さて、では頂こうか」
「いただきまーす」
『…いただきますっ!』

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年10月2日 7時

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