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53話:背筋 ページ3

『逃げてください』


僕はすぐにそう言った。
後ろで「なぜでしょう?」と聞いてくるがそんな呑気に答えられない。


『一般人のあなたは危険です』
「…そう見えましたか」

『?』


(それってどういう…)


「あ!!遅いよ!ドス君!」


ふと、そう言って現れたのはピエロの男性だった。
白い服装が目立ち、そのマントの1部は赤く染ってた。
彼から強い血の香りがする。

ピエロの彼の視線は僕を見ていなかった。


「…」
『…?』

「あれー?その前の子は?仲間?」


ピエロの男は僕を見てそう言った。
なんで、こんな馴れ馴れしいの…?


(仲間?)


急にこの男は何を言ってる?
馴れ馴れしいのは知り合い?


(………もしかしてっ)


理解して振り返ろうとした瞬間、背中に固いものを当てられた。
当てられた背中から、血の気が引いたようだった。


「仲間じゃありませんよ」
「えっ」


すると強く銃口を押し付けられた。
言葉を失うと、彼の声は優しくなった。


「少し付き合ってくださいね」
『……わかった。だから銃を下ろしてください』

「まあいいでしょう」


すると拳銃を下がった。
両手を上げると、後ろに居た彼は僕を越してピエロの人の方に向かった。


「見られたけど、殺さなくていいの?」
「彼次第です」

『……』


とりあえず、人気のない奥へ入った。
奥の奥に行くと、月明かりだけがたよりの光で真っ暗だった。
そしてそこには男性の死体があった。


『…』


(一体なんの目的で人を殺めてるんだ…?)


夜はポートマフィアが仕切ってるはず。
死体が出来るなんて、森さんはこの事知ってるのか…?
いや、あの人が見落とす訳が無い。
でも殺しの先が分からなかったから、こうやって誰かが死んでいる。
見たとこ、殺しに慣れすぎている。


(1枚上手?
帰ってくる前に今のヨコハマについて調べておくべきだった)


「じゃぁ、聞きます。あなたは何者ですか?」

54話:魅了→←52話:路地裏



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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/  
作成日時:2023年5月2日 19時

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