52話:路地裏 ページ2
夜でも人は居た。
泥酔しているしている人や、歩いて帰宅している者。
クラブ帰りの若者。
色んな人が少なくても夜中の道を歩いていた。
(テキトーなホテルでいいか)
そう思い近くのホテルに向かった。
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向かってる中、ふと視界の端に気になるものが出来た。
視線を向けるとそこには見慣れない服装の男性が居た。
白いマントと白の帽子を被り、なんだか季節外れの服装だった。
その男性はケータイを片手に路地裏を見ていた。
(道に迷ったのかな…?)
すると男性は路地裏に向けて歩き出した。
ん!?
夜の路地裏はまずいっ!
『ま、待ってください!』
「!?」
グイッと引っ張り、顔を見た。
紫色の冷たい瞳をしている目が見開かれていた。
それと同時に分かったのは少し違う顔つきだった。
(ま、まさかの外人!?)
どうしよう…英語は喋れない…。
純日本人なんだから英語はいらないと思ってたのに。
(ええい!どうにかなれ!)
『ストップ!ストップ!
あー、この先デンジャラス!!』
そう言って路地裏の方に立った。
両手を広げて"通さない"とするようにジェスチャーで表した。
「…」
『…っ』
彼はポカン…と呆気に取られていた。
でも少しすると腹を抱えて笑いだしてしまった。
「すみません、面白くて…ふふっ」
『あ、あ、日本語喋れたんですね』
驚きながらも、僕は思い出したように『路地裏は危ないので入らない出くださいね』と言った。
日本語が通じるのなら無理に英語にする必要は無い。
「分かりました。」
彼はそう言ってくれた。
ホッとすると共に少し口を開けた。
『道に迷ったのなら警察署が少し行った所にありますし、少しなら僕も案内できますが…?』
「いえ、大丈夫ですよ。ありがとうございます」
『こちらこそ。じゃあ、僕はこれ……で?…』
ふと、そう言った瞬間背中の方から血の香りがした。
思わず、路地裏を見るとそこから足音が聞こえた。
(誰かいる)
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/
作成日時:2023年5月2日 19時