絶対命令【文スト】 (ページ47)

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「はぁ…本当に最悪…」
「ダハハハッ、寝癖がっ、あはははっ」

驚きは全て笑いに。
中原中也の笑い声が部屋全体に広がり、太宰治は居場所が悪そうにしていた。
そんな中、指がピクッと動いた子がいた。

『…う、ぁ？』

「あ」
「やべ、うるさ過ぎたか？」

彼女は顔上げて2人を見た。
弱いぼやけた笑みを浮かべて顔を上げたもんで、2人は目を丸くしていた。

『……おはようございます。』

スン…と彼女はいつもの無表情に戻り頭を軽く下げて挨拶をしていた。

「おおう、起こしちまってすまねぇな」
『いえ…それにもう起きなきゃいけなかったと思うので…』

彼女は大きなあくびをしながらそう言った。
まだ眠そうで目は完璧には開ききっていなかった。
すると、太宰治は口を開けた。

「まだ寝てくれても構わないんだよ？」
「…」

不意にギョッ_と中原中也は気持ち悪そうに太宰治を見た。
柄にもなく優しい発言。
_驚きで言葉が出ない。

そんな中、彼女は首を傾げた。

『今、何時ですか？』

「9時だよ」
『…起きます。まだ3分の2程度なので…』

そう言って立ち上がった。
薄い布団が椅子の上に落ち、彼女の目がそちらに行った。
そして数秒見ては畳んでいた。

『ありがとうございます。太宰様』

見つけてはすぐそう言った。
彼は「晩御飯の礼だ」と口を開けた。
すると彼女はキョトンとしたが食べてくれたことにどこか嬉しそうだった。

「テメェ、太宰…なんだよな？」
「私以外誰がいるのだい？」

「…なんか変わったな」

「はいはい、私は変わるよ。中也は身長が変わらないねぇ」
「やっぱ殺す」