絶対命令【文スト】 (ページ46)

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ふと食器を机の上に戻し、立ち上がって隣の部屋を見た。
彼女はどうしただろうか。

部屋内を見回ると机の上でなにかが少し動いた。

「……」

そこには書類仕事中に寝落ちしてしまったみたいで、机の上にベタッ_と引っ付いて眠っていた。
子供の小ささで私と同じ年齢。

(彼女の過去…そう言えば知らないな)

あんなに主様を作ろうと必死になるのは何故だ。
どうして弱い者の下についていた。

分からないことだらけ。

『…う、ん……』
「……」

彼女は少し寒そうに体を動かしていた。
おもわず溜息をつき、ロッカーを開けて薄い布を彼女に掛けてあげた。
__我ながら何をしてるか分からない。

(後で食事のお礼でもするか)

そう思いつつ隣の部屋に戻った。
お腹もふくれてなんだか今からでも眠れそうだ。
ベットに入り、目をつぶった。

「悪夢はやめてくれ…」

___
__
_

ﾄﾞﾝﾄﾞﾝﾄﾞﾝ_

ふと、ドアが荒く叩かれた。
そして「おい！太宰！」とどこか怒った声が響いた。
こちらが何も反応せずに居ると、荒々しくドアが開いた。

「テメェ、任務だろうが！もう起きてんだろ！…？」

中原中也がそう言ってやってきた。
だが、照明は付いておらず、部屋は真っ暗だった。
思わず目を丸くすると机の方でなにかがモゾモゾ動いていた。

彼は太宰本人だと思い、目の前まで近づいた。

「…は？なんでこいつがここで寝てるんだ？」

Aはまだぐっすり眠っていた。
顔と机の下には書類があった。
中原中也は少ししてから気づき、書類仕事を押し付けられたことがすぐに理解できた。

「大変だな…」

「遅刻したっ！」
「！？」

ふと、隣のドアから急いで太宰治がやってきた。
驚いて彼はそちらを見ると、2人の視線はお互いを見た。
太宰治はぴょん_と頭の上に寝癖が立っていた。

「え？」
「…嗚呼、最悪ッ…」