絶対命令【文スト】 (ページ40)

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そういう彼に少し彼女は口を噤んだ。
でも、直ぐに首を縦にふった。

『…はい。9回目を死ぬと異能が使えません。
耳もしっぽも出ません。ただの一般人になります。
体から力が抜けて、素早く動くこともできません。』

「もう一度使えるとかはないのかい？」

『無いです。
回復するのは深く眠り起きた時のみ数字が戻ります。』

彼女はそう言って太宰治に手首を見せた。
そこにはちゃんと数字が載っていた。

『尾崎様にはバレましたがここにあと何回生きれるか分かります。
0になると数秒写り、その後異能が割られたように砕けます』

そう言って彼女は手首を下げた。
彼は視線を彼女に戻し、観察するように開けた。

「9だから、まだ今日は余裕ということかい？」
『はい』

「ふーん」

『…』

彼女はエレベーターの階を見た。
まだ先でため息をついた、そしてゆっくり目を閉じた。

(仮死状態は言わないでおこう…)

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「よく来たね、2人共」

待っていた、というように森鴎外は机の上で私達を見た。
彼女が一礼すると隣の彼はため息をついていた。

『おはようございます。森様。
火の怪我は大丈夫でしょうか？』

彼女はそう言った。
_傷が残らない精神的な火の怪我。
逃げても風を立てても水をかけても、焼けてるように感じる血液の攻撃。

「うふふ、お陰で当分火は見たくないよ」
『それは申し訳ございません』

彼女がゆっくり頭を下げた。
すると、痺れを切らした太宰治が急いで口を開けた。

「私のしもべを虐めないでくれ。森さん」

そう、どこか怒ったように言った。
この部屋に入った途端、彼はものすごく不機嫌になる。

(…なんでだろう？)

別に森鴎外のことを信頼しているのに不機嫌になるなんて。
理解ができないよく分からない彼女を放置して、会話は進んでいた。

「しもべ？」

「彼女は私の契約主なんだ」
『はい。太宰様は契約主です。』

スッ_と彼女は会話に入ると、森鴎外の視線は彼女に向いた。

「紅葉くんじゃなかったのかい？」
『…ご説明します』

彼女はサッと口を開けた。