絶対命令【文スト】 (ページ39)

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そんなこんなで次にやってきたのは服屋さんだった。
マフィアにまだ帰らなかった事に驚いていると、大きな黒と白のコートを彼は買ってくれた。

「君は私の忠実なしもべだからね」
『……』

そう言って畳んだまま差し出してきた。
私はポカン…と驚くと同時にそれを受け取り立膝をつき、彼の手の甲に軽く口付けをした。
最大限の喜びと、最大限のしもべとなる証。
_次は彼が驚いて固まってしまった。

『はい。貴方の忠実なしもべです。
私には勿体ないほどの代物を、ありがとうございます』

「あ、嗚呼」

『着させていただきますね』

そう言って彼女はその場でサッとコートに腕を通した。
白と黒のコートは黒髪の彼女によく似合い、モノトーンな格好で決まった。

(敵と味方、ハッキリ分かれる服みたい)

白と黒は対照的だ。
契約主と契約者の極端な2人をハッキリさせた服だ。
嫌いじゃないコート。

彼は彼女が来ている間に元に戻り、姿を見ては出入口の方に歩き始めていた。

「さて、帰るよ」
『はい』

彼の足取りは意外と早かった。
そんな彼の後を精一杯、着いていくように早足で歩いた。

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ポートマフィアに帰ってくると、そのままエレベーターに乗り、首領室に向かった。
私が目覚めたことの報告と私の罰を決めるらしい。

覚悟はしてる。
だって裏切りの行為はちゃんと理解していて、行った。
幹部達や双黒達を傷つけてしまった罰は受けなきゃならない。

『殺されて許されるのなら殺されるくらいどうてことないです』

彼女はそういった。
自然と手首を見ると【9】と数字が浮き上がっていた。

「最大限の9回でも？」
『はい』

「…そういえば9回死んだらどうなるんだい？」

ふと、彼はエレベーター内でそう言った。
彼女が首を傾げ、どういうことか分からない。

『9回目の私に会いましたよ？』
「会話だけね。あの時ものすごく眠たそうだったから」

『………』

「異能が解けた時の心情が聞きたくてね」