絶対命令【文スト】 (ページ31)

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『………死んでなんかない…はず…』

彼女は1人でエレベーター内で小さく口を開けた。
でも、汗が流れ、嫌な気配がした。

…自然と彼女は両手を握って願った。

『主様…』

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彼女は急いで元の組織へと戻った。
タクシーを乗って急いで行き、書類を持って、不安の中たどり着いた。

『……うそ…』

目の前には顔見知りの黒服達が死体となっていた。
切り刻まれたような死体。
当たりは血の海になっていて、自然とその場に座り込んだ。

(誰？)

彼女には分からなかった。
この惨状の犯人の心当たりがなかった。

_マフィアの強い異能力者達は確かに私に引き付けた。

スパイを疑わせ不意を突き、重要未来予定をサッと持って帰る。
そんな仕事が順調に進んでいたはず。

【今は君がいない状態で殺しやすいけど、生きてるといいね】
『太宰治ｯ』

__あの人が絶対になにか仕組んだんだ。

何を仕組んだか全く分からない。
爆弾でもない、なにか。

(こんな大漁に死体ができるなんて…)

するとその時「きゃぁぁぁ」と誰かの悲鳴が上がった。
聞き覚えのある耳障りの痛い高い声の人。

『秘書…まだ生きてる…主様も…？』

彼女は中へ走っていった。

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『主様！秘書！』

ドタを思いっきり開けると、そこにはある人が居た。
真っ黒のコートを着た真っ黒な目の男。

「…貴様か、小娘」
『ポートマフィア？』

彼は私を見て憐れむように笑っていた。
睨んでいると、視界には秘書の死体が見えた。

_さっき会った死体と同じような殺され方。

(ポートマフィアにまだ異能力者が居たの…？)

私が驚いている中、組織のボスは拳銃を手にしていた。
銃口はポートマフィアの刺客に向き、トリガーに指をかけていた。
刺客の目が私に向いている時、男は引き金を引いた。

「死ねっ！」

銃弾は彼の手前で止まった。
すると、その瞬間、男の手首が切れた。
切れた痛みで男は思いっきり悲鳴をあげた。

『あ、るじさ、ま…』
「こんな豆鉄砲、効かぬ。全くつまらぬ男だ」

『主様ｯ！』