絶対命令【文スト】 (ページ27)

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すると彼女は真っ先に中原中也に飛び込んだ。
ナイフがある彼女と素手の彼。
例え重力操作だとしても、彼女はそんなのどうだっていい。

めんどくさいやつから倒す。

「9回殺すんだ！中原くん！」
「っ…」

ナイフを避けつつ、戦闘が始まった。
森鴎外もエリスを行かせるが、ナイフを此方に向かせるだけしか協力出来なかった。

ふと、彼女の肌に中原中也は触れた。

「っ、重力操作」
『ぁ』

その瞬間、彼女はペチャン_と地面に倒れた。
指先も動かず、無感情の顔は変わらない。

すると、ゆっくりだが、彼女は起き上がった。

『…』
「は、はぁ！？体の中が壊れんぞ！？」

「エリスちゃん」

森鴎外が声に出したその瞬間、彼女のお腹から注射針が現れた。
血が周りに散り、彼女は口から血を吐いた。
そしてゆっくり目を閉じた。
バタン_と彼女は地面に倒れた。

「…ﾁｯ…気持ちわりぃ能力だ」

中原中也がそういった途端、彼女のお腹の傷が光って戻って行った。
それと共に彼女は目を開けて、力が無くなったナイフをもう一度握り直した。

『次はミスしない』
「これがあと8回か…はは…」

そうしてその場でまたAは暴れた。
今度は先程の戦いを学んだのか、中原中也に触れないように、エリスからの傷は大きなもの以外全て無視するようになった。

「っ〜！？」

ふと、彼女は中原中也の首元にナイフをふった。
薄く皮膚が切れ、喉元から血が出た。

「チュウヤ！」
『…』

心配したエリスの方に向けて、次はナイフをふった。
驚きで動けないエリスの顔に向けて容赦なく突き刺そうとした。
すると、彼女の腕とお腹と足にメスが刺さった。

『……』
「私の可愛い可愛いエリスちゃんに傷を付けないでくれ」

彼女が倒れると共に森鴎外そう言った。
ぴくっ_と指が反応し、また起き上がるかと思われたが、彼女は目を閉じた。
血塗れたカーペットの上で彼女は死んだ。

出血多量。

「あはは…まずいね。彼女、ものすごく早く学ぶんだから」
『……』