絶対命令【文スト】 (ページ18)

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尾崎紅葉はそのまま彼女を部屋に持って行った。
そして部屋に入ると彼女を椅子に座らせて、上機嫌でその部屋に置いて違う部屋に出ていった。

『……』

ちょこん_と座っていると、すぐに尾崎紅葉が戻ってきた。
両手には小さめの着物があった。

「着替えるぞ」
『…？』

そう言われると彼女は着せ替え人形になった。
手先のいい着付で、何着も何着も着替えた。
終始、彼女の表情は変わらなかったが、耳は垂れ下がっていた。

「似合っておる！」
『はい』

濃い緑色の着物が良く似合うらしく、尾崎紅葉はニコニコ笑って楽しそうにしていた。
彼女はそんな様子を見て、耳は普通に立ち上がった。
そして着替える時、尾崎紅葉は彼女の手首が見えた。

【7】

「………次はこれでどうじゃ？」

尾崎紅葉は目に入れつつ、次の服を見せた。
すると彼女は首を縦にふり着せ替え人形は続いた。

そして数十分もすると着替えは終わり、ちょうど部屋のドアが鳴った。

「いいかい？姐さん」

やってきたのは太宰治だった。
近くに服が散らばり、彼女の目が向くと共に太宰治は全てを察しては、中に入って来た。
そして椅子に座り「彼女とお話したくて」と口を開いていた。

尾崎紅葉は2言葉で許し、この部屋の奥へと移動してくれた。

『…』
「…」

お互い向き合い、何も言わない無言の時間が流れた。
視線はお互いの目を見つめた。
顔をよく見て、意外とお互い美形だ。

「単刀直入に聞こう、君の異能力はなんだい？」

太宰治はそう言って沈黙を切り裂いた。

__これから君もポートマフィアの一員なのだ。
遠回りにそう聞こえ、彼女は口を動かした。

『【九尾】です。9回死んでも生き返ります』

「…他には？」
『血の着いたところのみ炎を出せ、しっぽを出せば数時間なら飛べます』

彼女は嘘をつかずにそう言った。
そしてキツネのしっぽの1つをぎゅっと腕の中に入れた。