絶対命令【文スト】 (ページ2)

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『双黒様の相手は私です』

彼女はそう言った。
1歩前に出ると共に、異能の渦が彼女の周りを渦巻きフードが取れ、顔が見えた。

かわいらしい顔をした13くらいの小さな子だった。
しかし、目には何も映らない程、真っ黒に汚れていた。

「ハッ！そんな餓鬼が相手かよ」

中原中也は鼻で笑った。
強そうな門番は簡単に倒したのは彼だ。
こんな小さな子に負ける筋はない。

だが、太宰治は顔を歪めた。

「彼女、警戒した方がいい」
「…わァってるよ」

2人がそう会話した。
そして彼女がもう1歩足を進めると、太宰の銃弾が容赦なく足を撃ち抜いた。

『…』
「なっ」

彼女は普通にもう1歩歩き出した。
足に銃弾がめり込んだ筈なのに、眉1つ動かなかった。
怯むことも無く足が止まらない。

太宰治が少し遅れてもう一度撃とうとすると、バッ！と彼女は動き出した。

「中也！」
「めんどくせぇなァ！」

彼女はポケットに隠していたナイフを出し、中原中也に近づいた。
音よりも早い銃弾が飛びかかってくる彼女の心臓を貫いた。

『あ…』

血が溢れ、力の失った足が止まった。
中原中也の目の前で、彼女はゆっくり目を閉じた。
ｶﾗﾝ_と落ちたナイフと共に失せると中原中也はその様子を見て顔を歪めた。

「ったく、策もなしに飛びかかってきてよォ」

時間稼ぎにもならない殺し。

「あいつらの身代わりだろう」

そう言って双黒の目が男達に向いた。

絶望している目なのは2人。
ある男はニコニコ笑っていた。

「はぁ…僕の大事な駒がそんな呆気なく殺されるなんて」

まだ余裕があるような声が倉庫に響いた。
すると、足元にいる男は彼のズボンを強くゆすった

「は、話が違うぞ！あの子は、強いんだろ！？」
「力はない子だから仕方ない」

「も、もう終わりだ…っ…」

「……」

様子を見て、太宰治が銃口を向けた。
まず仕留めるのは_取引先の男。