絶対命令【文スト】 (ページ1)

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黒く染まった雲に、月明かりの無い夜。
ある倉庫に4人の人物が集まっていた。
黒いフードを被っている小柄な子と、しっかりとした大人の3人だった。
2:2でお互い違う服装をしていた。

『…』
「ふーん、なるほど。これが今回のモノ」

そう言って、小柄な子のそばに居る男は大きな黒い袋を目の前の男に渡した。

受け取ったのはポートマフィアの一員。
袋の中の現金を確認すると笑っていた。

___現在、武器と情報の横流し中だ。

ある倉庫で密会中だった。
その倉庫の出入口には2人のゴツイ門番が居り、何があっても大丈夫だろう。

「はははっ、そうですよ。
あ、そういえば、最近は双黒が暴れ回ってます。
気をつけてください」

「嗚呼、君達こそバレたらダメだからな」

2人は真ん中でお互いの手を握り、強く握手していた。
その瞬間、小さくどこからか呻き声が聞こえた。

『！』

いち早く、フードを被った子が出入口に目線を向けた。
するとその瞬間バン！と扉が蹴破られた。

「誰だァ？武器の横流しはよォ」

そう言って現れたのは小柄で帽子の被った男。
中原中也だった。
その横には真っ黒な目でこちらを見ている男も居た。
太宰治だ。

「双黒！？」
「な、なんでここがｯ」

マフィア員は受け取った荷物を反射的に落とし、絶望するような顔を見せた。
でも、すぐに双黒に背を向けて男に縋った。

「こ、殺される！助けてくれっ！」
「今までの恩を返してくれ！」

「…いーよ！君達には沢山助けてもらったから！」

男は気楽そうにそう言った。
その間、中原中也は胸ポケットから銃弾を出し初めている中、男の視線は小柄な少女に向いた。

「おい、仕事だ」
『はい』

ロボットのようななんの感情も含めずに彼女はそう言った。
3人より前に出ると、太宰治は虚空に向かって1発撃った。

「裏切り者には罰を…ね」

彼はニッコリ笑った。
不気味に笑う姿はまるで死神のようだ。
マフィア員は震え上がり、男は楽しそうに笑っていた。

「おい、分かってるな」
『…はい』