【文スト】才能なしの政略結婚 (ページ47)

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(お、終わったー)

私は座り込んでそう思った。

目の前には体調を心配してくれるエリス様がオロオロしていた。
でもそんなこと心配してあげる余裕が私にはなかった。

(嗚呼、あんたにたくさんの人に見られてしまった)

それに首領に"似合っている"と無理やり言わせて貰ってしまった。
もう、次どんな顔をして現れたらいいか分からない。

(私はただのメイドなのに調子乗ってると思われたらっ…)

【先程、エリスちゃんを使って無理やり言葉を言わせたね。
君、死刑ね】

死亡END…

(なんてごめんだ！)

もうこの生活を失ってしまうのか？
もう入って1日目で首が飛ぶのかっ！？

(勘弁して…)

「＿＿！A！」
『！』

ふと、名前を呼ばれて顔を上げた。
するとそこには涙でいっぱいにしているエリス様が居た。

『！？』

(な、なんで…)

＿なんで泣いてるの？

私はすぐに彼女に触れると腕の中に入って泣いてしまった。
ぐすっぐすっ_と悲し涙を流していて、頭を撫でると「ごめんなさい」と声が聞こえた。

『どうして謝るの？』
「だって、ワタシ、Aの嫌なことをさせちゃったっ」

「Aに嫌われたくないのっ！」と彼女は伝えてくれた。
私が上の空だった時、彼女は何度も私を呼んでくれたが、反応がなくて嫌われたと感じたらしい。

＿嗚呼、違うんだよ。
エリス様のせいじゃなく、私の心が弱いせいだよ。

ぽんぽん_と頭を撫でるとエリス様の顔が私に向いた。
目線が向くと頭を下げた。

『こちらこそ、ごめんなさい。エリス様』
「ぐすっ…どうしてAこそ謝るのよ」

『お揃いの服、とっても嬉しいんです』

「！」

私がそう言うとエリス様の涙が止まった。
そして"ホント？"と期待を込めた瞳が向けられて、首を縦に降ろした。

『でも、首領に無理やり発言させました。
その事についてクビが飛ぶんじゃないかと怖かったんです。』