【文スト】才能なしの政略結婚 (ページ42)

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ふと、目を覚ますと布団の中は暖かった。
目を開け、見上げるとそこには仮面をつけた女性が同じベットで眠っていた。

(嗚呼、寝落ちたのね)

そう直ぐに理解し、周りを見てエリスが目を覚ました。
目線をもう一度あげると彼女の綺麗な寝顔が目に入った。

＿＿
＿

〖離れませんし、大好きですよ〗

苦しくなって吐き出した本心をAは受け止めてくれた。

Aはワタシに気を使ってそう言った。
泣き出したワタシを皆、そうやって泣き止ませるから。

＿分かってた。

Aはダザイたちと結婚する為に出会った。
ワタシはついで。
だから、誘拐に賛成したAも…

……心の底ではワタシの世話係なんてしたくもなかったハズだ。

〖嘘じゃないです。確かに怖かったです。でも、それは理由があったから〗

そう言うAの目は嘘をついてなかった。
そして抱きしめてくれて、心がポッと暖かくなった。

(嗚呼、本当に…ワタシのために…)

＿ワタシにかけられた言葉だ。

嬉しかった。

本当に、嬉しかった。
安心してつい泣き出してしまった。
でもAは嫌な顔1つ見せず、涙でいっぱいなワタシをずーっと心配してくれた。

(ワタシ、Aと出会えて良かったっ)

＿
＿＿

「大好きよ。A」

ワタシはそう言って抱きしめた。
すると彼女は『うーん…』と言葉を呟き、気持ちよさそうに眠って居た。

＿＿なんて可愛いんだろう？

彼女をワタシだけの物にしたい。
ダザイにもチュウヤにもリンタロウにも取られないような場所に隠したい。

(今までの世話係とは、違うわっ！)

ワタシを使ってダザイに近づくオンナや、全く忙しなかった世話係とはまた違う感触。
これは、暖かく、ずっと浸りたい。

＿＿ワタシだけのモノ

(これが"愛"なのね)

人間じゃないワタシでも、愛を受けられるのね。。