【文スト】才能なしの政略結婚 (ページ5)

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私の大ミスで気まずい雰囲気の中、食事会は進んでしまった。
名前も言えず始まってしまった。

(気まずいのは私だけみたいだけか…)

私とは逆にお姉様は好印象を貰ったのか、中原中也と仲良く喋りだした。
そして、お母様達はなんとかうまく話始めている。
太宰治はエリスさんと話していた。

結果.取り残されてしまった。

1人は慣れてる。
ずっと家に居て、1人の屋根裏部屋と対して変わらない。
私がどちらかを落とせなかったら用済みかも知れないけれど、もうすでに分かってたこと。

(傷つけられるくらいなら、いっそ死んだ方が……)

ｺﾝｺﾝ＿

そんな時、襖から音が鳴った。
顔を向けると「料理をお持ち致しました」とそう言って、開いた。

現れたのは女将さんと新人だろうか？
片方は柔らかな笑みを浮かべているのに対し、もう片方は顔は青白く手の先は震えていた。

彼女達は立ち歩き、私たちに食事の用意をしてくださった。

手前に居る私から冷水を置いて行った。
私側は新人がしてくれているそうで、震えている手で置いてくれた。

(…何かをやらかす前の私みたい…)

ここの集まりがマフィアだと知って緊張しているのだろう。
そして、次は隣のお姉様のお水を置こうとしていた。

＿私の時より震えがヒドい。

「ｯ…ｯｯ…」
『…』

(あ、彼女、ミスするかも…)

私は直ぐに考えた。

彼女が、ここでミスしたらどうだろう？
近くには危険なポートマフィアが居る。
一般人の新人彼女に下手な姿を見せれば…彼らは何するか分からない。

会話だけでも人間性のない淡々とした自己紹介だった。

もしかしたら不機嫌になって殺すかもしれない。
何をしでかすか、分からない。

『…』

＿でも、私には関係の無いこと。
誰が目の前で殺されようと、お母様達の機嫌さえ取れてりゃいい。

「ぁ…」

ﾊﾞｼｬﾝ_