【文スト】才能なしの政略結婚 (ページ4)

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ｺﾝｺﾝ…

ふと、襖の扉から音がなり、襖が開いた。
目を向けると、そこには5人の人が居た。

「もう来ていたのかい？早いね」

そう薄く笑いながら言うのは、ポートマフィアの首領。
森鴎外。
そして続々と母親替わりの尾崎紅葉が入ってきて、次に小さな女の子が入ってきた。

その子はお嬢様みたいな可愛い子だった。

思わず私たち家族は目を丸くしていると、太宰治が入ってきた。
チラリ…と私と姉を見ては直ぐにつまらなそうに前を向き直した。
そして、最後に中原中也が入ってきて、彼らは向かい合うように座った。

「お互い自己紹介をしようか。私は森鴎外」
「尾崎紅葉じゃ」
「…エリスよ」
「太宰治」
「中原中也だ」

淡々と並び順にそう言った。
なんの感情も入っていないこの言葉に思わず目線を逸らした。

(こわい…)

＿＿あんなに壁を作られているのに、これがお見合いだなんて言えるの？
なんて思っていると私の家族が順番に口を開けていた。

「アンドリーマフィアの首領須田優斗だ。」
「須田里香ですわ」

「私は須田凛音！これからもよろしくお願いします」

にこっ…と自信満々にお姉様は口を開けた。
いつもの純粋で優しい顔。
ほんの少しだけ雰囲気が良くなった気がした。

(嗚呼、また私が壊すことになるんだろうな)

私はお姉様を持ち上げる言わばモブキャラ。
それをお母様が望んでいるのならお答えします。

『す、須田……＿＿…???』

私はそこで口を停めた。

(あ、あ…やば…)

お姉様が作った柔らかな空気が1言目で急に重くなった。
ｷﾞﾛﾘ…と睨まれたように感じて、空気の重さに、口が開かない。

＿しんどい、逃げ出したいっ

ﾎﾟﾝ…

ふと、黙って俯く私の肩を誰がが触れた。
パッ！と横をむくとお姉様が私に触れていた。

「ごめんなさい、妹のはまだ慣れてないの。
許してくださいませ」
『………』