【文スト】才能なしの政略結婚 (ページ27)

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『私は、家族はあまり好みではありません。
でも私以外の家族は上手く話していたでは無いですか？』

恐れ多くもそう聞いた。
…分からない。
あの完璧なお姉様も出来ないなんて決め付けであって、私から見ると全てが順調に婚約について上手くいってると思った。

すると4人はため息をついた。

「表面的な言葉で埋め尽くされたって呆れるしかないわ」
「全くじゃ」

『え？え…？でも楽しそうに喋っていたんじゃ…？』

「話を合わせていただけだよ。
まぁ、私としては2人には恋というものも知って欲しかったのだけれどね」

そう話を返してくれた。
…み、見抜けなかった…。
本当に楽しく喋っているようだったから、てっきり…。

「中也は可哀想だよ。
ずっとあの女にマークされて、本当は嫌だろうね」

『なんで、そう思うんですか？』

「中也の好みじゃない。
あんなガツガツ系は全くの対象外だろうね。
君ならもしかしたら行けたかもね」

太宰治は私を見てそう言った。
主に、私の髪を見ていて…嗚呼、黒髪の撫子という訳かな。

私は髪の毛にふれた。
感覚のないウィッグの髪。

『そんな訳ありませんよ。
それに、私の髪は黒ではありません。本当は青なんです』

「知ってるよ」

『……え？？？』

(え、バレてたの！？)

ギョッとすると、みんな分かっていたのか、今更感だった。
思わず固まり冷や汗が流れた。

『あれ？じゃあ、なんで私なら行けると？』
「ガツガツ系じゃないだろう？」

『え、えー、それだけ？』

案外ポカン…となってしまった。
なんというかウィッグの件もバレてるし、何故か恐ろしい。
するとグイグイと撫でている腕を止められた。

「ウィッグ外しなさい！見たいわ！」
『外さない方がまだマシな容姿だと…』

「いいのよ！」

『は、はい…』

私は言われた通り、ウィッグを外した。
まとめられた髪を解き、青い短い髪がふわりと解けた。