【文スト】才能なしの政略結婚 (ページ19)

今日:11 hit、昨日:68 hit、合計:92,583 hit

19 ページ19

またまた顔がさらに暑くなった。
すると、エリスは私の頬に手を添えてきて「熱いわね」と子供のイタズラが成功したような顔をしてそう言ってきた。

(スキンシップがっ…高すぎる)

私は体の力が抜けたのか、エリスの方にふらっ…と倒れた。
彼女は気を抜いていたのか、フラリと床に私と一緒に倒れ、ぎゅっ_と抱きしめた。

「ど、どうしたの？」

エリスは驚いたようで、宥めるように私の頭を撫でてくれた。
もう少しだけ強く抱きしめると、彼女の手が止まった。

『…はずかしくて…死にそうです……』

「「……」」
『お菓子はあげるので、私のことはほってください…』

小さな声で言ったつもりだが、近くにいる2人はちゃんと聞こえただろう。
その後、2人の笑い声が部屋いっぱいに広がった。

＿＿
＿

笑い声が収まると、私の顔も冷えてきて2人の間でふつうに食べれるくらいまでは回復した。

＿もうあーんは、しない。
2人共、先程の私の醜態で満足したのか、買ってきたお菓子の消化を手伝ってくれた。

主にエリスと太宰治が会話をしていて、それを聞く話をしていたは、襖の扉から音が鳴った。

ｺﾝｺﾝ_

「私だ。失礼するよ」

そう言って扉が開くと、そこには森鴎外が襖に立っていた。
私はすぐに自然とﾋﾟｼｯ_と背筋を伸ばして頭を下げた。
すると、2人は体制も何も変わらず口を開けて、お菓子を手に口を開けていた。

「なんだ、森さんか。」
「どうしたの？リンタロウ」

「少し前に楽しそうが聞こえてね、様子を見に来たんだ」

森鴎外はそう言った。
少し前_とは私が醜態を見せて、2人が笑ったものだろう。
彼の顔を見ると珍しそうに私達を見ていた。

「ああ、ものすごく面白かったよ」
「そうね！リンタロウもいたら良かったのに」

「ほぉ、気になるねぇ」

「再現しようか？」

そう言って、太宰治は私を見てきた。
＿再現。
理解するとぶわぁっ_と顔が赤くなり、すぐに顔を伏せた。

『…』
「あ、照れちゃったわ」