【文スト】才能なしの政略結婚 (ページ18)

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ﾊﾞﾁﾊﾞﾁﾊﾞﾁ…と目の前で何かが繰り広げられている。
こういう時、どう反応すればいいのだろうか？
こんなことされたことない場合、どう反応とできずオロオロ困るだけ。

『ジ、ジャンケンしてください！負けた方が手を離すで…』

私がそう言うと、2人は何も言わずに目の前でじゃんけんが行われた。
＿勝者はエリス。

すると素直に太宰治の手は離れて、つまらなそうにため息を着いていた。

(まぁ、結局お菓子は消費しなきゃならないし…)

私はお菓子を持って彼の方を向いた。
ぎゅっ_とエリスの手が強くなったのは気づかないフリをした。

「え」

『あーん、するので口を開けてください』
「いや、私はそれがしたい訳じゃ…」

『あーん、です』

強くそう言うと、太宰治は困った表情を見せた。
＿ちょっと意地悪したかった。

少なからずジサツしようとして辞めたことは、凄く偉いこと。
でも、死のうとしたことは許されないから意地悪だ。

「……あー、ん…」
『え！？』

ふと、か細いがそんな声が聞こえて思わず驚いた。
すると太宰治の顔は真顔で口を開けてきた。

「なんだい？してくれるのだろう？」
『いや、本当にするなんて…思わな＿＿あ』

彼は私が話している途中に自分からぱくっ_と食べ始めた。
人差し指の第1関節まで咥えてしまい、やわらかい唇が指に当たった。

『あ、あ？！？』
「……」

『えっ、ちょ』

ふと、咥えた指をぺろっ…と舌が触れた。
思わず恥ずかしくて、ぶわぁっと顔を赤くなると、指先についたチョコまで舐めてとって下さった。

ふと、目が合うと彼はフッ…と鼻で笑っていた。
長いまつ毛と茶色い瞳はとても綺麗で、美形の彼がモテる理由がその時にすごくわかった気がする。

「真っ赤だ」
『だ、だ、誰のせいで』

視線をすぐに逸らして小さくそう言った。
すると、彼はキョトンとして私を見た。
その後、彼の高笑いする声が部屋全体に響いた。

「ふっ、あはははっ」

『な、何で笑うんです！？ふざけんな！』
「だって、うふふ…」

『だから！なんで笑うんですか！？エリス、私の顔おかしい？』

ふと、すぐにエリスの方を見た。
赤くなった顔はまだ変わらない。
キョトンとしたエリスも楽しそうに口を緩めた。

「え？…ううん！可愛らしい顔だわ」
『えっ？か、かわ……？』