【文スト】才能なしの政略結婚 (ページ16)

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『なら、イチゴを食べますか？』
「…うーん、そうね」

＿あなたの膝の上で食べたいわ

『え！？』

膝の上！？
自然と私の膝を見てから、彼女を見つめた。

「私の言うこと聞けないの？」

『いえ、そんな訳では！でも気分が削がれると思いますよ？』
「そんな事ないわ！」

『は、はい？あ、えっと…なら、こちらにどうぞ？』

私はそう言って正座の上をﾎﾟﾝﾎﾟﾝ…と軽く叩いた。
すると普通にこちらによってきて、机の私の間に入るように座ってきた。

(うわ、軽ｯ…)

エリスの金髪の髪はサラサラとしていて、こちらに甘えるように持たれかけてきた。
姿勢が崩れないように少しお腹に手を回すと、その上に手を置かれた。

(う、動けない…それに動きも読めない…)

大切な相手の小さな子供。
貴重に触れないと、なんだか怖い。

「あと、あなたが食べさせてくれない？」
『え！？』

「うーん、手を汚したくないの。いいかしら？」

『お、仰せの通りに。』

(距離が近い…)

ヒヤヒヤしながらも、私は片手でお菓子を取り彼女に食べさせた。
彼女は気分良さそうにしてくれた。

＿あまり警戒しなくてもいいのかもしれない。

それに子供だ。
私が心を許さなきゃ、相手は怖がるかもしれない。

そう思うと普通に素直に笑えてきた。

『美味しいですか？』
「ええ！このお菓子初めて食べたわ」

『ええ！？勿体無い。週に1度たべるとちょうどいいお菓子なんですよ！』

そんな気楽に喋れるほど、気を許した。
すると彼女はすぐに分かったのか、甘えるように「もっと頂戴！」と口を開けた。

『はい、あーん』
「あーん」

キャッキャキャッキャ笑い、彼女はとても楽しそうだった。

もしかしたら、この子はこんなふうに甘えることが出来なかったのかもしれない。
マフィアの首領が連れてた子供だ。
周りの大人は気を使ってこんな側に寄らなかっただろう。

(普通の子供なのに…)

「ふーん、そんなに気に入られるんだ」
『！』

バッ！と顔を上げると、目の前には机の反対側に肘を着いてこちらの様子を見ている太宰治がいた。