【文スト】才能なしの政略結婚 (ページ2)

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お母様とお姉様が食べ始めたら私も食べることが出来た。

『…』

その楽しげな会話を耳に、食べた食事はいつも通りなんの味もなかった。
彼女達が食べ終わると、私はその場を立ち、彼女達の分まで食器を片付けた。

(あ、あとは掃除しなきゃ)

ホコリ1つでも残せばまたお父様に知られて指導が下る。
今度は何をされるか、考えるだけで体が震えてくる。

私の部屋は屋根裏部屋だ。
ペンと紙と水とコップ。
その4つを持ち、ここで、私は異能力を発動した。

『異能力【精製】』

コップに入れた水は緑色に変化した。
私はそのコップを持ち、部屋の奥にある小さな小瓶に移し替えした。

(朝にも作ったし、残りの分は今やった…)

私の異能力は【精製】
純度の高いものを作ることが出来る。
無からは生まれない。
水や空気、木の枝からなにか作ることが出来るだけ。

今回作ったのは回復液。
傷口に1適垂らすだけで、見る見るうちに傷が治る。
ただし出来てすぐの傷のみ。

私の目元のように火傷からしばらく経った傷はなんの意味もない。

『……』

眠ろうと地べたに横になると、すきま風の寒い風がビュービュー吹き荒れ、寒さで深く眠れない。

(この家に置いてもらえるだけ、私は幸せなんだ)

ボロボロの服を強く握り、体を丸めて眠りについた。

これはたった一部。
でも、もう思い出したくない。

だって全て悪いのは自分だから。

私が何一つないのが悪かった。
異能力は悪くなった。
でも、前線で使える異能力ではなかった為、結局使えない。

(私がもっと、もっと、才能に溢れていたらお姉様のように愛して貰えたかな)

私たちは双子。
なのに、こんなにも違うのは、やっぱり才能なのかな？

そう思わなかった日は無かった18の今日。
私達双子に結婚の話が入ってきた。