【文スト】才能なしの政略結婚 (ページ1)

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私の名前は須田A。

幼い時
顔の上半分が火傷の傷で醜くなった。
お父様からお叱りを受けていた時、罰としてその傷を負った。

『…』

私はなんの才能もないダメ人間だった。
裁縫も、料理も、勉強も、運動も、会話術やコミニケーション能力も、何一つ飛び抜けてない人間だった。

そんな私を両親は嫌った。

お父様の指導は厳しく、お母様に至っては会話もして貰えない。
ただお姉様だけが純粋にお話してくれた。

「怪我したの！？だいじょうぶ？」
『…うん、大丈夫…』

「そう。Aも手を抜かずにちゃんとしたら怒られずに済むわ！」

『……それが出来ないの』

「出来るわよ！」

＿＿だって私にできたんだから！

お姉様は純粋だけど、自分の才能が平均的だと思ってる。
あーだ、こーだ、教えてくれるけれどそれが出来たら苦労しない。

私のお姉様は須田凛音。
才能に溢れ、両親から愛されてる。

年齢は私と同じ。
私たちは顔の似てない双子だった。
＿ただ才能があるかないかで好かれるか嫌われるかだ。

「凛音！ご飯の時間よ！」
「はーい、お母様！ほら、Aも行こう？」

『…はい…』

ﾞ言うことは必ず聞いてやりなさいﾞ

出来損ないの私は足を引っ張るだけ。
だから、少しでも役に立てるのようにお姉様の言うことは必ず聞かなきゃならない。

引っ張られるようにお母様の居るリビングに行くと、机の上には料理が用意されていた。
そしてその机の下にも1つ、小さなお皿があり、うす汚れたパンが置いてあった。

「あ、私の好きなステーキだ！」
「うふふ凛音喜んでくれた？」

「うん！ありがとうお母様」

お姉様はそう言って、私と手を離した。
彼女は用意されている椅子に座り、私は床に座った。

目の前には汚れたパン1つ。

(同じ部屋で食べれるだけ、お母様の気分がいい……)