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「異能力を置いていくなんてどうかしてる」
ふと、椅子に座った鏡花がそう言った。
隣にはまだ半分泣いている羅生門が鏡花に抱きついていた。
涙は流していないが、離れたくないみたいで、力強く鏡花から離れようとしなかった。
『…っ、ひっく…んっ…』
「うーん、芥川君は少し気難しいからねぇ」
「たとえ異能力だとしても羅生門は女の子ですよ!?
泣かせたまま放置って、虐待じゃないですか!」
太宰さん、人虎、鏡花の3人が見つけて、とりあえず探偵社の下にある喫茶店、うずまきで保護した。
3人は流石にやり過ぎ…と芥川を避難した。
『…ご主人様は、愛すなんてまだ出来ない』
「羅生門…」
『だってずっと貴方しか見てないから』
羅生門はそう言って、太宰さんに視線を向けた。
少しだけ悔しそうな、悲しそうな、羨ましそうな表情をしていて太宰さんは思わず視線を逸らした。
「…」
「芥川…どうしてそんなに太宰さんに?」
『憧れなんだ。ご主人様は。
100パーセント理解出来るわけじゃないけど、ずっとそばに居たからわかる。』
羅生門はそう言って鏡花に抱きつくのをやめて、ちゃんと1人で座った。
悲しむのはやめて、落ち着いたらしい。
『憧れの度が過ぎて自分のことをよく見てない。
私はそれが悲しくて…せめてご主人様の、自分のことは愛して欲しい…』
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「…チッ…」
芥川はどこかの路地裏に持たれかけた。
あたりは静かで彼しかいないようだ。
(訳がわかない)
異能力を愛せだと?
馬鹿げてる。
感謝をしている所もあるが、愛するとは違う。
苦しんだ場面もあった。
それに簡単になんでも愛していたら、傷つけれない。
(僕はマフィアなのだ)
殺しなど簡単にする。
1つ1つ愛など掛けてられぬ。
それは異能力もそうだ。
言い換えれば、殺しの器具だ。
……仕事だから殺す。
殺しの器具を愛すなんて…そんなやつ居るか。
(…どう…首領に報告しようか…。)
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シグマ(プロフ) - ペネロッペさん» 閲覧ありがとうございます!はい、少し更新停止です。大体半分くらい書けたので少し物語の整理をしてからまた書き進めたいな…と!ゆっくりになりますがよろしくお願いします! (2022年11月2日 4時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - サキさん» すみませんっ!気づかなくて返信遅れました。うふふ、どうなるかはこれからお楽しみ下さい。いつもありがとうございます! (2022年11月2日 4時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
ペネロッペ(プロフ) - こ…更新停止ですか……? (2022年11月1日 12時) (レス) @page27 id: 4e7520e5da (このIDを非表示/違反報告)
サキ(プロフ) - 来るなと拒絶して捨てるのはいいけど乱歩さんの話聞いてた芥川君とツッコミたいですね愛してあげて抱きしめないと無理と言われてたのに太宰さんや森さんに叱られかねん対応ですね (2022年10月25日 8時) (レス) id: 4d7646cafb (このIDを非表示/違反報告)
シグマ(プロフ) - サキさん» えへへ、ありがとうございます!凄く嬉しいッです!それに2回もコメントありがとう! (2022年10月15日 6時) (レス) id: bd84de304f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2022年9月24日 22時