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彼女が完全に眠ってしまったのを中原は確認した。
眠る時も礼儀正しく真っ直ぐ眠り、年齢にあった寝顔をしていた。
…涙は流してなかった。
「…ったく、子供はすぐ眠るなァ?」
「寝るのは子供の特権よ、チュウヤ」
まだ起きているエリスは可愛がるようにAの頭を撫でて、おでこに軽くキスをしていた。
(よっぽど気に入ったみてぇだな)
横目にそう見ながら、深くため息をついた。
_ずっとコイツは過去に囚われてるんだなと。
別室で姐さんが詳しく説明してくれたし、首領もAの両親の話をした途端、顔が暗くなっていたのが見えた。
(その両親はよっぽど色んなやつに影響があったんだろうな)
推測でしかない。
そんな自慢の両親を失った気持ちは俺には分からない。
だが、理解してあげたい。
「まだ、子供なのにな…」
自然と口からこぼれた。
きっとこんな手を汚すようなことする必要、無かったはずなのに……。
ふと、エリス嬢がじーっと中原の方を見ていたが、優しい顔をして布団の中に深く潜った。
「今から眠るから、そばに居ておいてねチュウヤ」
「…え?」
「Aが私に攻撃してきたらどーするのよ」
「は、はい。おやすみなさい、エリス嬢」
そう言うと、目を擦りながらAに抱きついた。
そしてゆっくり目を閉じて幸せそうに微笑んで寝ていた。
「……」
(にしても…)
ふと、視線を逸らして思い出すのは例の夜のこと。
青い月明かりに照らされて、小さな体であの階段まで上がってきたことだ。
(まだ10くらいの子供があんな動きしていたのは驚きだ)
親の血を濃く受け継いでるのだろうか。
_流石と言うべきだろうか。
(俺の情報が回っていたらどう動いたんだろうな…)
瞬時に理解して、行動に移せるのはやはり只者じゃない。
異能力との相性は悪そうだ。
(コイツ、強いんじゃないか?
姐さんから聞くと、もう人を殺している…な……)
しばらく、色んな思考が中原の頭の中で動いた。。
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シグマざん(プロフ) - るなさん» ありがとうございます。マイペースにやらせて頂きます (12月8日 0時) (レス) @page12 id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
るな - 続き楽しみにしてます! (12月7日 23時) (レス) @page12 id: 4b22b5eac9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//
作成日時:2023年11月24日 10時