検索窓
今日:6 hit、昨日:3 hit、合計:12,745 hit

29 ページ29

彼女が完全に眠ってしまったのを中原は確認した。
眠る時も礼儀正しく真っ直ぐ眠り、年齢にあった寝顔をしていた。
…涙は流してなかった。


「…ったく、子供はすぐ眠るなァ?」
「寝るのは子供の特権よ、チュウヤ」


まだ起きているエリスは可愛がるようにAの頭を撫でて、おでこに軽くキスをしていた。


(よっぽど気に入ったみてぇだな)


横目にそう見ながら、深くため息をついた。
_ずっとコイツは過去に囚われてるんだなと。
別室で姐さんが詳しく説明してくれたし、首領もAの両親の話をした途端、顔が暗くなっていたのが見えた。


(その両親はよっぽど色んなやつに影響があったんだろうな)


推測でしかない。
そんな自慢の両親を失った気持ちは俺には分からない。
だが、理解してあげたい。


「まだ、子供なのにな…」


自然と口からこぼれた。
きっとこんな手を汚すようなことする必要、無かったはずなのに……。

ふと、エリス嬢がじーっと中原の方を見ていたが、優しい顔をして布団の中に深く潜った。


「今から眠るから、そばに居ておいてねチュウヤ」
「…え?」

「Aが私に攻撃してきたらどーするのよ」

「は、はい。おやすみなさい、エリス嬢」


そう言うと、目を擦りながらAに抱きついた。
そしてゆっくり目を閉じて幸せそうに微笑んで寝ていた。


「……」


(にしても…)


ふと、視線を逸らして思い出すのは例の夜のこと。
青い月明かりに照らされて、小さな体であの階段まで上がってきたことだ。


(まだ10くらいの子供があんな動きしていたのは驚きだ)


親の血を濃く受け継いでるのだろうか。
_流石と言うべきだろうか。


(俺の情報が回っていたらどう動いたんだろうな…)


瞬時に理解して、行動に移せるのはやはり只者じゃない。
異能力との相性は悪そうだ。


(コイツ、強いんじゃないか?
姐さんから聞くと、もう人を殺している…な……)


しばらく、色んな思考が中原の頭の中で動いた。。

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←28



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (59 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
107人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

シグマざん(プロフ) - るなさん» ありがとうございます。マイペースにやらせて頂きます (12月8日 0時) (レス) @page12 id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
るな - 続き楽しみにしてます! (12月7日 23時) (レス) @page12 id: 4b22b5eac9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年11月24日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。