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その後、Aは暫く放置することにした。
不貞腐れて、何も喋らないようなら、しばらくしてからまた話しかけることになったから。


「俺、少しアイツと話していいですか?ボス」


ふと、帽子の彼はそう言った。
その言葉に森鴎外はキョトンとして少し首を傾げた。


「嗚呼、気になることがあるのかい?」

「いえ。そんなことは…。
でも俺だけ自己紹介がまだなんで少し話してみます」

「……嗚呼、分かった。仕事は少し遅れて大丈夫だよ。
ゆっくり話してきなさい」

「はい!」


そんな話をして帽子の彼だけは居残り、エリスは心配だから離れないみたい。
2人が外に行くのを見届けると、彼はベット横にある椅子に座った。


「おい、大丈夫か?」
『……』


彼が覗き込むと、そこにはむっ…と頬をふくらませた不機嫌なAがいた。
目は死んだ目をしていて、苦しそうな表情だ。

…見てわかるだろ。

と言われてるみたいで、彼は思わず苦笑いした。


「とにかく紹介だ。俺は中原中也だ。よろしくな」
『…』

「一応ボスと姐さんから名前は聞いてる。A…だろ?須田A。合ってるか?」

『うん…』


ふと小さくそんな返答が聞こえた。
その様子に中原はほっ…と息をつき、しばらくその場で黙った。


_少しするとAはゾロゾロと動き出して、中原の服を掴んだ。
中原が首を傾げてAの目を見ると思わず息が一瞬、止まった。


『中原』
「…おい、お前…」
「?」


ぞわぞわっ…と嫌な奴が一瞬頭に浮かんだ。
Aの目はそいつと全く一緒で反吐が出そうだ。
エリスが異変に気づき、2人を見ると、Aは言葉をゆっくり続けた。


『わたしを、殺して』

「…」
「…」

『死ぬつもりだった、ここに来て。でも予定が狂ったの』


ぽつぽつ…と言葉を漏らした。
目は真っ暗で誰よりも深い、深海に溺れたような暗さに引き込まれそうで、思わず目線を逸らした。


『中原の異能、昨日見たから考えてた。
コルク弾、通らない。それに浮けること。』

「…当てても俺はしねぇぞ」

『重力。当たってる?』
「……」

『当たってるんだ。
なんで、わたし、こんなに考えれるのかなっ…あはは……』

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シグマざん(プロフ) - るなさん» ありがとうございます。マイペースにやらせて頂きます (12月8日 0時) (レス) @page12 id: af73925dd3 (このIDを非表示/違反報告)
るな - 続き楽しみにしてます! (12月7日 23時) (レス) @page12 id: 4b22b5eac9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シグマ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp//  
作成日時:2023年11月24日 10時

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